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天文部ロケット班だったのは、今から十数年前の高校生の頃。
マンションの一室で起こった爆発は、過激派によるミサイル製造中の事故だった。 現場の写真に残っていたある部品が、昔のロケット班の仲間を思い起こさせる。 新聞記者の高野は、事件と仲間の関連を調べていくうちに・・・ ロケット班は高校生の頃、モデルロケットをつくっていた。 どう考えても素人につくれるようなものではない、というイメージがロケットにはある。 なんか荒唐無稽な話かな?とも思ってしまう。 が、ひょっとしたら出来るのでは、というほど細かな描写。(専門的な話はわからないけど) 彼等は、確信犯的に(非合法である)打ち上げを17回も敢行した。 そんな懐かしき思い出から10数年。 ロケット班はそれぞれ、宇宙開発事業団の研究者、大手特殊金属メーカーの研究者、一流商社の宇宙事業本部、ロックミュージシャン、新聞記者(科学部宇宙担当)へと。 極秘で進んでいたプロジェクト。集結するロケット班。 彼等は再び、ロケットをつくりはじめる。 高校生の時とは違う、【打算】と【目的】でもって。 いや~、良いです。 ミステリーといえばミステリーなのですが(サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞作) 夢を追いつづける姿が清々しい青春小説でもある。 ただこれは、決して明るいだけのお気楽な話ではない。 表裏一体の【ロケットとミサイル】。明と暗。 過激派との接点は?仲間を信じていいのか? かつて同じ夢をもった仲間たち。頭の中にあるのは常に【火星】だった。 彼等をとりまく人々もなかなかの個性派ぞろい。 町工場の職人・源さん。刀鍛冶の国見さん。ロシアのエンジニア・ユーリ、などなど。 そして何てたって【宇宙】だ。ロマンがあります(昨日と同じだ) 恐竜とともに小さい頃好きだった【宇宙】。 学研マンガの『宇宙のひみつ』みたいなものからはじまり、 『宇宙の果てへの旅』海部宣男、とか夢中で読んでいました。 ただやはりほんの入り口の入り口で終わってしまったのですが。 見上げたときのこの宇宙(そら)の広さには、心ひかれるものがあります。 でも、実際に宇宙へ行けたとしたら、たまらなく淋しくなると思う。 自分の存在が希薄になって、広すぎて不安になってしまうだろう。 でもそれはとても素敵な体験のような気がします。 空気の澄んだ避暑地の別荘。テラスに出て、夏の星空の下。 そんなところで読みたい一冊です。 (問題は、そんなものが何処にあるのか?ということだけだ) 「だめなんだ、怖い以前にどうしても宇宙へ行きたいんだ」 とにかく、いい話だったなぁ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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