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テレビ朝日の番組「虎の門」の【うんちく王】(第1回~6回)を活字で再構成したもの。らしい。(一度ちらっと見たことがあるだけ)
私はかつて、【知ったかぶり】が許せない時期があった。 “適当なこと言ってんじゃねぇよ”という心の狭い言い分。 もちろん自分自身が言うのも嫌だから避けるようにした。 確信があるものしか言わない。責任がとれない曖昧な言い方はしない。 すると・・・ 何も話せなくなりました。 ちゃんちゃん♪1対1なら「~って聞いたことがある」とか言えばまだいいのだが、それ以上の人数での会話だともうダメ。話に入っていけなくなる。これは本当につまらない。本当に面白みのない人間の出来上がりである。 前置きが長くなったが・・・ 今ではその反動か、【テキトー】OK、【知ったかぶり】も大歓迎! というわけで(?)古本屋にて本書を手にとった。 【薀蓄】。字からして怪しい(笑)まともじゃなさそう。 しかもこの番組では、必ずしも「事実かどうか?」は問題ではない。 頷かせればいいのである。 番組で審議委員長を務める、いとうせいこうが「はじめに」で書いている。 “薀蓄の「薀」も「蓄」も「たくわえる」という意味で、同じ意味がかさなった時点でもうしつこいのだ” 普段はむしろ敬遠さえる存在ですらあった【薀蓄】を、秒数を制限することにより、話にケリをつけさせ、知識プラス話術が要求される【芸】の領域に入れてしまおうという試みである。 秒数を制限しての薀蓄バトル。 番組をそのまま再構成ということで、なかなか臨場感、緊迫感もある。 あまり必要ではない余分な知識(笑)もたくさん載っている。 いろいろな駆け引きも楽しい。飽きて嫌になる前に次に行くし。 うんちくを披露するのは、 伊集院光、山田五郎、上田晋也、なぎら健壱、松尾貴史ら。 他、スポット的に、斉木しげる、吉田照美、ダンカン、神足裕司、石原良純、ラサール石井。 豪華メンバーである(笑) やはり、伊集院、山田は強い!予想どおり。 それに対して、上田晋也(元海砂利水魚)の健闘が光る。 が、私が好きなのは、なぎら健一。 反則です(笑) そして、審議委員長いとうせいこう。(彼の薀蓄も聞いてみたい気もする) あとは、なぜかそこにいる解説者、勝俣州和(笑) どうでもいいことだが、勝俣のポジションはある人物と被る。 ドラマにおける【松下由樹】のバラエティー版。気がつけばそこにいる。 (「このミス」の後ろのほうのページに“松下由樹論”を思い出した。) まさしく、振り返れば勝俣、いつの間にか勝俣、なのである(笑) さて本題に戻って。 恐らく、生ならではの面白みもあると思う。テレビもいいだろう。 正直、首を傾げる判定などもあるが。番組の時には“何か”があったのだろう。 だが活字化したものも、それはそれで違う楽しみがある。 (証拠が形として残ってしまうのは、話者にとってはプレッシャーだろう) はっきりいってテレビの企画本はイマイチのものが多いが、これはかなりの【当たり】!トリビア本よりも、断然面白い! 主な理由は2つ。 ごちゃごちゃ字が多くて読み応えがあり得した気分。 テレビで見ていないから自分にとっては全て新鮮なネタである。 気に入ったものを二つ。いずれも野球ネタ(上田もの)。 ・王、松井の二人と唯一対戦した投手は、広島の大野豊。 ・長島親子と唯一対戦した投手は、中日の鈴木孝政。 へぇー(笑)いかにもそれっぽいけど、本当かな? 嘘=負け、とかではないようですが、ほとんど嘘はないみたいです。 うんちくスピリッツみたいなものがあるのでしょうか? (少し違うとしても、回数だとか、年号くらい。) 凄いな、みんな。どうやって仕入れてるんだろう? こういう言葉を扱ったゲーム的なものって好きだ。 そういえば昔深夜に、【たほいや】っていう広辞苑に書かれている言葉の意味を適当にでっちあげる、という番組があった。あれも結構良かった。 『うんちくブック』テレビ朝日「虎の門」うんちく王選定委員会・編 双葉社 (2003年9月第1刷発行) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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