都に鬼が現れだし、次々と人が襲われていく。 すでに四人の人間が鬼に喰らわれていた。 右大臣の安麻呂は娘の日美子が夜な夜な、意識なく徘徊するのを心配し、晴明に相談をした。 日美子は男勝りな姫だが、傷ついた小鳥を治したりする心優しい娘。 何も案ずる事はないと晴明は言うのでした。 そんな中、晴明は都の宝剣「アメノムラクモの剣」が鳴動した事で内裏に呼ばれる。 しかし、宝剣は晴明に真意を見せなかった。 都から外れた所では、「幻角」という人物が人の怪我や病気をたちどころに治してしまうと、神のように崇められていた。 そのウワサを聞き、左大弁:三善行憲と大納言:平為成が幻角を訪れた。 晴明を快く思わない二人は幻角に都に来るように誘う。 また、五人目の被害者が出た。巫女の景子が左目を喰われた。 悲鳴を聞きつけ検非違使たちが鬼に矢を射掛け、1本が首に突き刺さる。 その鬼を日美子が助けた。(この時、鬼は人間に戻ってました) 次の日、景子の現場を検証する晴明。鬼を射た鏃で正体を見極めようとするが、そこに幻角を引き連れた左大弁と大納言がやって来た。 晴明と幻角は連れ立って朱雀大路を歩いて行く。 鬼の正体を聞く幻角。しかし、「あれはマコトの鬼ではない」と告げて去っていく晴明 その頃、日美子のところでは、目をさました須佐(鬼)と博雅の琵琶と龍笛の演奏が行われていた。 琵琶の音を聴き、涙を流す日美子。須佐もまた琵琶を弾きながら苦しみ出す。 左腕の痣が疼いて苦しいのだ。日美子がその痣を見た。すると、日美子もまた右腕を押さえだして苦しんだ。 走り出す、須佐。訳が分からない博雅。 その様子を見た安麻呂が晴明を訪ねて来た。そこで、日美子が本当の娘ではない事。18年前に朝廷は出雲の民の力を恐れ、村を遅い皆殺しにした事を打ち明けたのです。 日美子は出雲族の娘だったのです。その時も日隠れが起きて、今回の鬼も日隠れを境に出現している。 おまけに、出雲族の宝剣「アメノムラクモの剣」にも変化あるとくれば、日美子が鬼と関係してるのではないかと晴明に詰め寄る。 しかし、晴明は「何も案ずることはありませぬ」と安麻呂に言うのです。 その夜、神話の巻物を広げ博雅と晴明は考えている。出雲の八卦の易卦で、人を襲っているところまでは晴明には解けた。 しかし、その先誰が喰らわれるのかは分からない。 そんな時、博雅が気付いた出雲神話の矛盾点を晴明に言うが「解釈はいろいろとあるのだ」と一蹴されてしまう。 でも、それは大きなヒントだったのです。それに気付いた晴明は博雅を褒めて、謎が解けたと説明します。 鬼は八卦をまじない、天の岩戸を開けた子孫を襲っている事が分かった。 残るは「アメノタヂカラヲ」と「アマテラス」の子孫という事も。。。 晴明達はタヂカラヲの子孫の髪の毛を手に入れ、鬼をおびき寄せる事にした。 人里離れた山門に晴明が五芒星の結界を張って行く。 その中に蜜虫を立たせ、左腕にタヂカラヲの紙を忍ばせた。 呪に惹き寄せられて鬼がやって来た。鬼は罠に掛かり、捕らえられる しかし、鬼の正体を知った博雅が結界を破ってしまう。 鬼と晴明のバトルが始まった。鬼には遠くから見ていた幻角の呪が掛かり、益々強くなっている。 さすがの晴明もこれまでか!いう時、博雅の笛の音が響き渡る。 心を動かされた須佐は走り去る。 屋敷に帰った晴明に博雅は「須佐を救ってやてくれ」と言う。 その時、日美子が晴明は訪ねてきた。 鬼の正体を知り、晴明に痣を調べてもらう為だった。 日美子にホの字の博雅は見ない方がイイだろうと、晴明は博雅をフリーズ状態にする。 日美子の痣調べが始まった。晴明に呪を掛けられ次第に高揚していく日美子。 痣が怪しく動きだす。日美子の勾玉も光り出す。 その勾玉を痣に当てたとたん、痣から四つ頭のオロチが飛び出し、晴明も吹っ飛ばされる。 その様子を幻角が見ていた。わが子「アメミコ」を見つけたのだ。 意識を取り戻した日美子と晴明は、日美子の原点である、出雲村に出かける事にした。 「須佐を救いたい」という強い日美子の思いから・・・ 村についた二人はカタカタ鳴る髑髏と出逢う。晴明は髑髏に呪符を貼り、話せるようにした。 その髑髏は日美子の母、月黄泉だったのです。 月黄泉は日美子を「アメミコ」と呼び、弟の須佐から逃げるように告げました。 幻角が神と契りを結び、村を滅ぼされた恨みを須佐に晴らさせようとしているからです。 その為には日美子のイケニエが必要だったのです。日美子は「アマテラス」の甦り。須佐は「スサノオ」の甦り。 出雲の石室で詳しい話を聞いている所に幻角がやって来た。 須佐も近くにいるようだ。泣く声が聞こえている。 「行ってはならぬ」と言う晴明だが、日美子は耐えられなくなって駆け出してしまう。 後を追おうとする晴明を幻角は八卦の結界に閉じ込めてしまった。抜け出せない晴明。 その間に須佐は日美子を襲い、いよいよ痣も八つ頭のオロチに変わり完全なものになってしまう。 内裏に乗り込む幻角と須佐。アメノムラクモの剣がないと荒ぶる神スサノオに変身出来ないからだ。 剣を手にし、地面に突き刺し、とうとう荒ぶる神になった須佐。 大地は揺れ、日隠れが起こり都は闇に包まれた。 蜜虫に呼ばれ、フリーズが解けた博雅は急ぎ出雲村に駆けつけた。 日美子の姿を見て悲しむ博雅。不意に日美子の勾玉が光りだした。 光は壁を上がって行く。そこに天の御社と古語を描き出した。 それを見て晴明は天の岩戸を開ける決心をする。 博雅に来るなと言った晴明であったが、博雅も晴明と運命を共にする為、出立する。 アメノウズメに変身した晴明と笛を吹く博雅は、天のキザハシを呼びよせ登ってゆく。 笛の音に引き寄せられてスサノオが動く。 止める幻角の言葉も聞かず、幻角は晴明の仕業と歯噛みする。 天の御社に着いた晴明と博雅。二人の目の前には岩戸がそびえ立っている。 ウズメの舞いを舞う晴明が岩戸の引力に巻き上げられる。空中で必死に舞う晴明。 博雅もまた、一心不乱に笛を吹く。 晴明は呪を唱えると、岩戸は砕けタマゴのようなオレンジ色の繭が出現 晴明は地面に叩き付けられ、それでも立ち上がり舞を舞う。 そこに幻角とスサノオがやって来た。スサノオは博雅の笛に力を削がれ、嫌がっている。 幻角は晴明がアマテラスを復活させようとしている事に気づき、スサノオの持っているアメノムラクモの剣を奪い、晴明に襲い掛かる。 ウズメの舞いを舞いながら、幻角の繰り出す剣をかわしていく晴明。 かわしながら、上空に飛び上がる晴明 その晴明に幻角は剣を投げつけた。晴明に突き刺さる剣。 その血飛沫がタマゴ型の繭に降りかかる。 それを機に、岩戸が開き始めた。 地面に落ちた晴明は息も絶え絶えになっている。 岩戸から現れたのはアマテラスになった日美子(アメミコ)。 日美子は須佐に優しく語りかける。これからはずーっと一緒だと。 その言葉にスサノオは本来の優しい須佐に帰ってゆく。 そして、姉のアメミコの元へと歩いてゆく。 幻角もアマテラスのまばゆい光りに包まれて、邪悪な心が消えてゆく。 アメミコも幻角を恨んでいないと言い、月黄泉、須佐と共に去ってゆく。 それを見届けた晴明も博雅も意識を失ってゆき、幻角だけが悲しい表情で佇んでいる。 いつの間にか、石室に帰って来ていた、博雅と晴明。 しかし、博雅の膝に抱えられている晴明は博雅が呼びかけても応えなかった。 「夢であったら醒めてくれ!」と叫ぶが幻角が「夢ではない」とやってくる。 何かされると思った博雅は詰め寄るが、幻角は「この男をうらんでない」と言って、自分の力を使い晴明に術を施す。 晴明を屋敷に連れ帰った博雅が縁で笛を吹いている。 石室では幻角が琵琶を奏でている。 笛の音と琵琶の音が重なっていく。 庭のセーマンから蜜虫が帰ってきた。そのまま、博雅の前を通り、寝ている晴明の懐に入って消えた。 博雅が晴明の名を呼んだ。ゆっくり目を醒ます晴明。 博雅に微笑みかける晴明はその後、「幻角」と呟く。 石室では幻角が力尽き、琵琶を落とした。 晴明と博雅が縁で酒を呑んでいる。晴明はまだ病み上がりのようだ。 博雅は晴明を失ってしまいそうで怖かったと告げた。 「ここにおるではないか。姫君達に心惑わされ、笛を吹くお前を見られなくなってはつまらぬ」と返す晴明。 博雅は「では、俺は鬼になるぞ!」とダンゴを頬張る。 晴明は「それでいい。たっぷりと退治してやろうぞ」と博雅を脅す。 慌てて、ダンゴを置き「止めぬか!」と、大笑いする二人の場面で終わりました。