掃除に、酢や重曹を使うという話を見聞きするようになって、久しい。これらはみんな、もとは料理に使うもの。ほんとうだとしたら、すごいね、と思いながら、手を出さないでいた。
こんなお馴染さんたちが、ごく近くではあるけれども、別の分野ではたらくというのだから、使い手の落ち度から、恥をかかせるようなことがあってはいけない。
酢のびんを想像する。
「きゅうりとわかめの酢のもの」をつくろうというときに、このびんを傾け、トイレ掃除をしようというときにも、同じびんを傾けるというのは、うまくない。まずは掃除用のものを用意しよう。
掃除用の酢や重曹を、何に入れて、どこにしまうか。
話は簡単なようで、そうではなかった。
なかなか、こうだ、いう道筋が見えないまま、時は過ぎていく。
夏というのは、何かをしてみようというのに、ふさわしい時期みたいだ。夏休みの宿題の記憶が、影響しているのかな。
わたしは、7月の半ばごろ、重曹と酢を買ってきて、机の上に置いた。
「酢や重曹で何かしようとたくらんでるな」
と家の者たちにからかわれたが、
「そう。2年越しの研究が実るかどうかの瀬戸際なのよ」
自分が考えついたものでもあるまいし、と密かに恥じながらも、しかし、かなり大げさに真剣だった。
机の上の酢のびんと、重曹の袋のとなりに、さがし出してきた容器をならべる。
ついに、本日。
掃除仲間として初めて、酢と重曹と手を組み、はたらく。雑誌から切り抜いておいた記事をもとに、おそるおそる……。
・ シャツの衿と袖口の皮脂汚れとり→ 重曹
「水とき重曹」をぬりつけ、1時間おいて洗たく。
(つぎには、脇にもぬってみよう)。
・ 床(フローリング)の雑巾がけ→ 酢
酢水をスプレーし、乾いた雑巾でふく。
酢は、ニオイとともに雑菌の繁殖もふせぐとのこと。
・ 排水口の掃除→ 酢+重曹
重曹をふり入れ、酢を注ぐ。
30分おいて、熱湯を流す。
ここまでが、きょうのわたしの「夏休み自由研究」。
どれも、大成功だった。うれしいな。
酢水スプレーは、安い穀物酢を水で2〜3倍に薄めてつくりました。
水あかや、石けんかすを落とします。
重曹は、油汚れや、手あかに。
スプーンをつけてみましたが、どうやらふりかけ式が使いやすそう。
シャツの衿と袖口の皮脂汚れとりに。
これは、『オレンジページ』で読んで、試してみたいと思っていたもの。
1時間おいて、そのまま洗濯機に入れて洗ってしまえます。