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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2007/09/04
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カテゴリ:生活

 この夏は、お客さんが多かった。
 とくに、女のお客さん。
 なんだかんだと食べるもの、飲むものを持ちよって、おおいに飲み、食べて、うんとこさ話をする。



「友だちの家に遊びに行くより、友だちが遊びに来てくれるほうが、ずっと多いな」
 と、末の子が言う。
「へえ。わたしも、そうだよ。来てくれるのを迎えるほうがずっと多い」
 そう言うと、末の子があはは、と笑う。
「お母さんが、誰かが家に来るの、好きだから、友だちが来てくれるんだよ。うちの友だちも、お母さんの友だちも」
「好きなのかな、わたし」
「きらいじゃないでしょう」
 そうか、と思う。
 だけどね、これでも、おひとが来てくれるということになると、やっぱり、ちょっとは身構えるのよ。と、言いたくなる。
 身構えて……、まず何をするかというと、掃除(大掃除なんかはしない、ちょっと、するだけ)。そのつぎは……。食べてもらうもの(=つくるもの)を決める。
 あれー? これだけで、もう「これで、みんなを待つばかり」という気持ちになっているみたい。
 掃除、も、ちょっと。
 食べてもらう、も、ふだんうちで食べているものを、いつもより多めにこしらえるだけ。
 おひとを迎えるときの心がけは、きどらないこと。きどっても、すぐ底が割れる。



 話は脱線したが、この夏のお客さんたちに、評判がよかったのが、食卓の脇にある鍋ラック。ほんとうなら、台所に納めたいところだが、納まらなかった。  
 この、言ってみれば、はぐれ者たちが、なぜか目を引く。
「これ、いいねえ。どこで買ったの? もうちょっと背の低いのも、あった?」
 とか。
「道具が陳列してあるっていうの、いいわよ」
 とかね。
 わたしは、実直でうつくしい道具が好きだ。
 なるべく、そういうものを選びたい、と思っている。現に、収納せずに見せちゃおう、という置き方(密かに、「飾り置き」と呼んでいる)をしている道具もある。
 そうは言っても、飾るにはふさわしくないモノも少なくはない。そういうモノたちは、「隠し置き」にする。
「隠し置き」と「飾り置き」を使いわけると、収納は、案外うまくいく。


1




「飾り置き」
これが、うわさの鍋ラックです。
ラック下に、いちご(うちの黒猫)に午後4時に出してやる、缶詰めのごはんの容器
があります。ちょっと時間が過ぎると、この容器を、指さすような仕草。
そんなときは、「いま、あげようと、思ってたのよ」と言いわけしながら、よそいま
す。水も、いちごの飲み水。





2




「隠し置き」。
義母が、嫁入り道具として持ってきたという火鉢。
このなかには、ごちゃごちゃとモノ(イヤホン。ちょっとのあいだ、とっておきたい
チラシ。へんな色のメトロノーム。へんな色のえんぴつ削り器)が隠してあります。







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最終更新日  2007/09/04 10:00:00 AM
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