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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2007/09/14
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カテゴリ:生活

 ちょっと忙しいことが重なっても、「食べる」と「眠る」に関する時間だけは、確保(死守かな)しようとする。忙しいぞ、というとき、仕事をがんばろう!という気概よりも、よく食べ、よくよく眠るぞ、という決心のほうが幅を利かせているような。
 少しくらい忙しくっても、じゅうぶんに食べ、じゅうにぶんに眠っているから、日日の暮らしにはあんまりしわ寄せがこない。ような気がしている。

 しかし、先日。
 ついに、しわ寄せ=しわのたまり場を発見。
 それは、書棚にかけた小さな黒板の隅っこの、いただいたお手紙返事や、便りを書きたい、または書かないといけない方方のお名前のつらなり。
 これこそは、日日のしわ寄せだわ、と思わされ、深深とため息をつく。
 もともと、ペンをもって字を書いたり、下手な絵を描くのは好きなのだ。はがきを書きだせば、どんどん書ける。書いているうちに、だんだん楽しくなってきて、「メールなんかより、ずっといいなあ、はがきはね」と、ひとりごとを言ったりする。

 けれども、ひとたび余裕をなくすると、だ。はがきに手がのびない。はがきを書くためのペンや色鉛筆を、見て見ぬふり。いただいて、梨のつぶての書状にいたっては、視界に入らなくなる。
 仕事をして、家のことをして、家族にむかってにっこりして、料理して、食べて、眠って、日が過ぎていく……。ああ、きょうもまた、はがき1枚書けなかった。やれやれ。

 わたしね、便せんはあんまり使わない。
 和紙や、昔ながらのうつくしい紙の便せんも、少しは持っている。いちばん最近、便せんをひきだしの奥からひっぱり出したののは、半年ほど前。
 娘の大学の教授に宛てて、家の用事で試験日に東京にいられず、できれば再試験を受けさせてやっていただきたい、という嘆願の書状をしたためたときだった——教授から、保護者からの手紙が必要だとお達しがある——。こうしてみると、便せんの登場は、あんまりよく知らないえらいひとに、慇懃な手紙を書くときになるようだ。
 たいていは、はがきサイズの紙に、書く。
 目上の方に書く場合と、書ききれないときには、裏表に書き、封筒におさめて投函する。はがき1枚書き上がると、玄関のげた箱の上に、置きにいく。ここが、家のポスト=「出がけに、ポストの投函してくださいね」のコーナーだからなのだが、このときの気持ちは、達成感と呼んでもいいと思う。

 はがきを書くのはきらいではないのに。
 いや、むしろ楽しみと言ってしまってもいいほどなのに、取っつきがわるいのはなぜだろう。
 もしかしたら……。
 はがきを書くとき、字も書いて、絵も描く、という両方をするのことが、かさ張っているのかもしれない。それなら、時間のあるとき、絵ばかりを描いておこう。
 そういうわけで、きょうは、どしどし、絵はがきをつくった。愉快。
 
 
Photo



こんなことせずに、かわいいポストカードを買いだめしたりすれば
いいのにね。そう思いつつ、絵も描きたくなってしまうのです。
色紙や新聞紙をちぎったりして、貼り絵にすることもあります。
相手の贔屓の役者や、タレントの写真を切り抜いておき、貼りつけると、
喜ばれること請け合い。







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最終更新日  2007/09/14 10:00:00 AM
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