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profile:山本ふみこ
随筆家。1958年北海道生まれ。つれあいと娘3人との5人暮らし。ふだんの生活をさりげなく描いたエッセイで読者の支持を集める。著書に『片づけたがり』 『おいしい くふう たのしい くふう 』、『こぎれい、こざっぱり』、『人づきあい学習帖』、『親がしてやれることなんて、ほんの少し』(ともにオレンジページ)、『家族のさじかげん』(家の光協会)など。

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2013/09/24
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カテゴリ:うふふ日記
 何か書くときに、文字のことばかり考えていると、うまくない。
 「、」や「。」も大事。
 そろそろ「、」を打とう、そしてとうとうここで「。」を置こう。そう考えることは、小さくはあっても一区切りだ。 
 手書きの文章を読んでいて、書き手の「、」と「。」が曖昧(あいまい)で、「、」なのだか「。」なのだか区別がつかない、打っているのだか打っていないのだかはっきりしないようなときは、もったいないなあと思う。
 「、」と「。」の効果に気がつくとき、ひとは、きれいな文章を書くことに近づくような気がする。いまは、このいま、は現代のことだけれど、いまはきれいな文章が昔ほど尊ばれなくなった。……と思う。尊んでいるつもりであっても、なかなかその域に到達できないでいるわたしのような文章書きもあるわけだけれども。
 きれいな文章を、書きたい。
 そう思うひとは、おのずと「、」と」「。」に気をつかうひとになってゆく。
 水泳も手や足の動きがものを云うのだろうけれど、ほら、あれ、息継ぎも大事なのじゃないだろうか。文章のなかの「、」や「。」は息継ぎでもあるので、ときどき打たないと、溺れる。
 それから改行。
 約束としては、行を変えたら、頭を「一字下がり」にすることになっている。ほんの少し文章の流れを変えようというときに改行する。わたしなんかは、すぐ改行する。「、」や「。」も多い。
 一区切りの意味と、そのよろこびを知っているからだろうか。と、いいわけのようなことを思ったりする。

 そら、こんどは一行アキだ。
 改行するよりもっと流れを変えるぞ、と思ったときには、こうやって一行すっ飛ばす。飛ばされた行はどんな気持ちだろうか。
 「みっちり書いてほしかったのに、何だよう」 
  とつぶやいて、つぎの行を睨(にら)んでいるかもしれない。
 もしそうなら、こう伝えたい。
 「一行アキは、たいそうものを云うのです」
 なぜなら、書き手ばかりでなく、読み手の気持ちも切り換えてしまうからだ。無言で切り換えさせてしまうのなんかは、並みの行(ぎょう)にできるものじゃあない。

 苦しいくらいに暑い夏が過ぎていった。
 やれやれ。そう云いながら、ほんとは夏に感謝しなくてはいけないことも知っている。夏がなくなってしまったら、いろいろなことがそうとうに変わるにちがいない。少なくとも夏の気候、夏の実り、夏の風物詩を失った日本は、日本でなくなってしまうだろう。
 あらためて、ありがとう。この夏に、ありがとう。

 わたしがこれを書いているあいだじゅう、玄関のほうでモノを動かす音がしていた。夫が道具箱を持ちだして、玄関まわりを整備している。枕木のような板とペンキも置いてある。
 夏のあいだ、頭のなかで練っていた計画を実行にうつしたというわけだろうけれども、これもひとつの「、」や「。」、いやもしかしたら改行……、一行アキかもしれない。
 夫はおそらくこれをして、あたらしい行にすすむのだ。
 わたしは、さて。明日あたり、机まわりをちょっと片づけようか。そうして秋をすすもう。


ブログうつむく扇風機.jpg
この夏、扇風機には世話になりました。
しかし、もう、しまおうと思います。
来年の夏までの別れです。
    *
夫が整備した玄関まわり(外)の様子は
来週、写真で見ていただくとしましょう。





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最終更新日  2013/09/24 12:55:16 PM
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なんだかうれしくなりました   しましまぱんだ さん
初めてのコメントです。はじめまして。

-きれいな文章を、書きたい。
 そう思うひとは、おのずと「、」と」「。」に気をつかうひ とになってゆく。

この文章、勝手に自分に言ってくれているようで、勝手にうれしくなりました。
若い頃、出版社に勤めていたので、「、」と「。」は、散々直されてきました。そのせいか、普段のメールでも、書いた文章を読み直し校正していたり、「、」と「。」の場所で悩んだりしています。
かといって、文章が上手なわけでも美しいわけでもないのですが・・・。でもこの職業病みないな癖をふみこさんにほめてもらえたようでうれしかったのです。



日常生活にくたびれたーと思うとふみこさんの本を開きます。『元気がでるふだんのごはん』は何度読んだかわかりません。読むと、淡々と暮らすこの日常がなんと楽しいことだろう、と元気が湧いてきます。たぶん10年以上のお付き合いです。いつもいつも元気をくださってありがとうございます。
これからもふみこさんの本を楽しみにしています! (2013/09/24 01:40:53 PM)

一区切り   ゆるりんりん さん
そろそろ夏も終わって
一区切りつけるのではと思っていたら
昨日も今日も30度あります。
暑さも根性あるなあ、
ここまでがんばるのかと思うと
もうなんも言えない。
文章にしたら「・・・」
もうしばらく扇風機に
そばにいてもらいます。

ご主人、何つくってはるんやろう・・・
見せてくださいね、楽しみっ。 (2013/09/24 04:05:30 PM)

一区切りの大切さ   たまこ さん

ふんちゃん、みなさまこんにちは。
なんだか、ほうっとなる記事でした。
私はどちからというと、休んじゃいけないという質なので。今真っ最中の就活にも効く記事です。

今まで受験が、こんなにうまくいかないことがなく戸惑う私。でもその中に、きらっとひかる出会いを見つけたりするのも、成果有りですよね。
(2013/09/24 04:13:05 PM)

私も素敵な夏でした。   ちぇりー さん
ふみこさま、みなさま、こんばんは。

エッセイを拝読しながら「区切り」「区切り」と考えていて、なぜか習字を思い出しました。

トメもハネも、ひと呼吸おいて区切りをつける行為だったなと。
トメ・ハネがしっかりしていない字は、ふにゃふにゃした、コシのないだらしない字になってしまいますそう思ったら、字も、文章も、服装も、食事のいただき方も、時間の使い分けも…うわぁ全部そうだ……そして、深く納得しました。
区切りのないダラダラ生活は美しくないなぁ。

全部、カチッと型にはめて区切ろうとしたら息苦しくなるけれど、ここいらで一呼吸という意識が、「、」のまえの言葉も、うしろの言葉も活かしてくれるんですね、きっと。

私の夏ももうすぐ終わってしまいます。
ちょっぴり寂しいけど、素敵な夏だったので、感謝の気持ちで一杯です。
そして、素敵な夏だったからこそ、秋が来るのも楽しみです。
いつもありがとうございます。
(2013/09/24 11:31:10 PM)

自分で決める。   ふみ虫 さん
しましまぱんださん

10年もそばにいてくださって、
どうもありがとうございます。

そして、
いらっしゃいませー。

「、」と「。」の打ち方もそのほかも、
文章のことはたいてい自分で決めていいのだと
わたしは考えています
(基本はあるとしても)。

きれいな文章の「おたより」忘れません。
(またください)。

ふ (2013/09/25 09:39:11 AM)

せっかちな秋。   ふみ虫 さん
ゆるりんりんさん

何だか東京の秋は、
早足です。

すたすた行って、去ってしまったら
困るなあと思うほど。

佳い秋を。
ゆるりんりんさーん。



(2013/09/25 09:42:45 AM)

たまこさんの「きらり」   ふみ虫 さん
たまこさん

成果も何も、
「順風」より「うまくゆかなさ」のなかにこそ、
きらりとした出会い(出合い)があるのです。
ご自分の「きらり」もみつけること。ね。

ふ (2013/09/25 09:45:13 AM)

小さな再出発。   ふみ虫 さん
ちぇりーさん

たのしい夏でした。

区切りは、自分を励まします。
あたらしい「行」、あたらしい「ページ」。
小さな再出発を、そっとくり返しているような。

ほんとにありがとう……ございました。

ふ (2013/09/25 09:48:56 AM)

反省っ!   オディ さん
 こんにちは。
 七夕の願い事が叶うことになり、先日から「書く」が暮らしのまんなかに入ってきました。
 実は、1000文字以内にするのに四苦八苦で、いかに「、」と「。」を削るかや、本当はここは改行したいんだけどなぁ、なんて考えながら仕上げてしまったのです。
 しかも、今読み返してみたら、つぶれそうな「。」もあったりして、いかに自分が一区切りを大切にしていないかを思い知らされました。
 一区切り、一呼吸、これからは意識してみます。どうもありがとうございました。 (2013/09/25 11:31:32 AM)

秋空に金木犀の香   みゅー さん
ふみこさん 皆さんこんにちは。
金木犀の香りが 風にのって 届くようになりました
小さな小さな小人がその香りを運んでくれているような・・・。
話は変わりますが
そうですそうです、私はまさにふみこさんの文章の区切りのファン(?)かもしれません。
ふみこさんのエッセイを 読ませていただいて 幸せになるのは きっとこの「区切りさん」の魔法ですね
ふみこさんにしか 使えない魔法。
素敵です。。本当に。
さて 私も2行ほど改行してみました
この2行・・・実はとてつもなく大きな一本かもしれませんね!
そうそう ふみこさんが前の日記に書かれていた「スポーツ祭東京」の競技とても興味深く思いました。
音や光のない中でスポーツをされている姿は
本当に胸に響くものがあります
(私は幼い頃に片方の聴力を失ったのですが)
輝るものがありますよね 本当に・・
追伸・ふみこさんのお宅の扇風機がすごく素敵です
雰囲気がとても。
(2013/09/25 12:06:14 PM)

Re:一区切り(09/24)   あすちるべ さん
ふみこさま こんばんは

文章で「、」「。」を置く時少し緊張します。
大昔、雑誌に投稿が載ったとき、自分の文章の「、」の多さに「ひゃぁ~」と悲鳴にならない悲鳴をあげてしまいました。載せてくださった方はさぞ変な句点と句読点だと思われたでしょう。
それから、綴り方にいまいち自信がありません。今もドキドキしています。

生活でも「、」と「。」と一行アキにも気をつけて、そのメリハリが、日々の楽しさ、うつくしさなのでしょうか。
日々に流されて溺れかけて、少しあっぷあっぷしているこのごろです。「、」と「。」気をつけようと思います。
ふみこさんの文章が、すっと心にしみる秘密に出会ったような気がします。というか、出会いました。
ありがとうございます。

今日、明日香村の外れを通ったら、黄緑色の田圃の中に彼岸花の朱色の線がきれいでした。日中は汗ばむ陽気なのですが、季節は巡っていますね。 (2013/09/25 08:44:49 PM)

Re:一区切り(09/24)   こはる さん
こんなところでふみこさんとやりとりできるなんて。私はパソコンやらなんやら苦手なんですが、嬉しいです。手元にずっとあるのはおとな時間なんですが図書館でも今二冊借りていて。人のための料理も育児も苦手な私。息子は少し手がかかる(ふみこさんの夫さんが好きなタイプかと)ので頭の中がモヤモヤでいっぱいになるとふみこさんの本を読んで一息です。自分のペースと息子のペース。どっちも大事にしたいなあ、と思った今朝…でした。 (2013/09/26 08:56:17 AM)

「。」を見つけました   もも(^-^) さん
ふんちゃん

 ここへお邪魔するようになって、文章を書くとか、ことばにするとか、そういうことを意識する時間が増えました。

 大学生の時、ほんの少しだけ、英語の新聞を作るクラブに所属していました(最初2年だけ英語学科だったのです^m^)。
 その時は、どこで文章を切ったらいいのか、どこにどういうことばを入れるといいのか、コンマを使うべきなのか…とか、すごく細かいことを考えて書いたことを思い出しました。
 それなのに、日本語を書く時ときたら…、むやみやたらに書いてしまいがち…。慣れると、考えなくなるんだなぁと、思い返していました。
 暮らしの手帖を読んでいたら、「さて。」とありました。「、」ではなく、「。」なのを見つけました。「、」より長く、呼吸を置いた感じがしました。
 「こういうことなんだなぁ」と、発見。私も少し、感じとれることが増えた気がしてうれしくなりました(^^♪

 呼吸とかリズムとか…、毎日の中でも、少し気を付けてみようと思います。これなら、無理しすぎて、おかしくなることが減りそう(*^。^*) 
 ありがとうございます。

(2013/09/27 05:57:44 AM)

急ぎ癖。   ふみ虫 さん
オディさん

そうですか……。
もしかしたら、もしかして?
(お待ちしています)。

「、」や「。」は、
急ぎ癖のついた現代のわたしたちに、
休むこと、止まること、やめること、
ふり返ること、しょんぼりすることなんかを
おしえるかもしれません。ね。ね。

ふ (2013/09/27 09:47:03 AM)

グランドソフトボール。   ふみ虫 さん
みゅーさん

「キンモクセイの国に行き、
そこで一日ゆっくり過ごす」
というのが、わたしの夢です。

その前に、東京国体の応援です。
グランドソフトボールのことですけれども、
視力に障害のある選手の皆さんは、
「障害そのものを、障害をもつひとのことを、
どう呼んだらいいか」なんてことでない大事なことがある、
ということを、わたしたちにおしえます。
ええ、ほんとうにそんなふうだったのです。

ふ (2013/09/27 10:06:18 AM)

花の句読点。   ふみ虫 さん
あすちるべさん

「、」と「。」も
少し風変わりなのが、いいと思うなあ。
……ほんとです。

おもしろく打てたら……。
やさしく打てたら……。
自由に打てたら……。

とは考えますが、規則は考えません。

あすちるべさんは、
花のように打つのだと思います。

ふ (2013/09/27 10:17:12 AM)

誓い。   ふみ虫 さん
こはるさん

いらっしゃいませ。

こはるさんのお宅には、
きらきらの国の王子様が……。
夫のみならず、わたしもその国の住人です。

わたしも、自分のペースを大事にしよう、と
今朝、静かに誓いました。
こはるさんの真似して。

……ありがとう。

ふ (2013/09/27 10:22:19 AM)

ことばの使い手。   ふみ虫 さん
もも(^-^)さん

またたのしいおはなしを、ありがとうございます。
英語の新聞づくりとは……。

きっと近い将来、また「そのこと」が生かされますね。
英語も、日本語も、
それを使うひとにまかされた領域は
果てしない、と思えます。

たのしい秋を。

ふ (2013/09/27 10:27:09 AM)

Re:一区切り(09/24)   寧楽☆ さん
ふみ虫さま

一区切りになる
「、」や「。」
大事ですね。

なんとなくぞんざいな扱いを
しそうで
あまり自信はありません。

暮らしのなかでも
話すときや
手紙を書くときも
間をおくというのは必用ですね。
(2013/09/29 10:13:42 AM)

、と。   Kouji さん
そういえば、『なんとかかんとか、』と点をつけるタイトルがすこし流行ったことがあったなとか、小学生の時分だったか国語の授業で点と丸の打ち方を習ったことがあったなとかおもいました。
そうか、ふみこさんは美しい文章を心がけていらっしゃるのかと、はっとしました。
美しい文章とは、なんだろう。
ふみこさんのおもう美しい文章とはなんだろう、と考えていました。
また、なるほどなと納得したこともあり。日常エッセイ(変な造語です)というようなものがよくありますが、ふみこさんのものは、ひといろもふたいろも違うなと。
いや、べつに日常どうこうに限らず、エッセイと云われるもののなかでも毛色のちがいがあります。
エッセイではなく、随筆と名乗るのも、字数のためだけでは、ないでしょう。
美しい文章とは、結局、美しい人間性ということなのかなぁとおもいます。
それを目指すふみこさんの文章は魅力的だし、とても好きです。
(2013/09/29 01:12:55 PM)

一区切り   ゆきたん さん
ふみこ様
お久しぶりです

ずっと悩んでいましたが、今日で終わりにします。
研修のこと、考えないで、行くことにしました。
先のこと、考えてもその通りにならないことは、自分が一番よく知っているはず。

ふみこさんが以前、おっしゃっていた通り、決断のとき、ものを考えないことにしました。

お給料をいただきながら、一年、研修に行きます。

ダメなら、ダメになったとき
戻ったら戻ったとき、考えればいい

チャンスは前髪で、つかめですよね

運命かもしれない
やっと、そう思えました。
(2013/09/30 10:54:18 PM)

おやすみなさい。   ふみ虫 さん
寧楽☆さん

寧楽さんと「ぞんざい」は
結びつきませんが、レベルの問題でしょうね。
(ん)。

昔から、ときどき、
ひとに「読むように話すね」と
云われます。

自覚はないですが、話すとき、
「、」「。」を考えているような気がします。

ちょっと眠くて、変なこと書いてますね。

ふ (2013/09/30 11:15:14 PM)

しみじみ。   ふみ虫 さん
Koujiさん

もったいないおことば、ありがとうございます。
ほんとうに、もったいなさ過ぎますが、
励みにしたいと思います。

ふ (2013/09/30 11:17:02 PM)

拍手拍手。   ふみ虫 さん
ゆきたんさん

それは、おめでとう!ございます。
決断に向かって、
ゆきたんさんのこころに向かって、
拍手いたします。

自然に、いい流れができてゆくと
信じています。
……ほんとです。

ふ (2013/09/30 11:19:15 PM)


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