215223 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

悠久の海 ブログ

悠久の海 ブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

樹紫

樹紫

Category

Freepage List

Calendar

Favorite Blog

6位&7位&怪獣8… あみりん9129さん

今のところ皆勤賞!… 910うろこさん

Wie geht es Ihnen? 夢野みちさん

Keyword Search

▼キーワード検索

Free Space

設定されていません。
2010/11/17
XML
カテゴリ:オリジナル小説
全能なる神よ、今日は二〇一〇年十一月十七日でございます。
この日記を読むすべての僕に対して祝福を、そして無事平穏なブログの運営が続けられますようご加護下さいますように。
                                         (by銀河の荒鷲シーフォート)


珍しく一気に続きを書けたので、昨日の続き……ではなく、最初からもう一度載せます。
結末は決めたので、あとはそこまで突っ走ればいいんですけど、私の事だから完結は再来年だったりするかも(笑)

はい、題名決めました。

では↓↓

「オールドタウンの反乱」

 暗い空に浮かぶ金属の檻、人々の夢はそうにしか見えなかった。

 一方的な居住権を与えられ、そこでの終生を押しつけられた犯罪者達。

 そう、人々が宇宙に見た夢の居住区は多数が刑務所となっていた。



 金属の塊を出ればそこは死の世界。誰もそこに新天地を求めはしなかった。やがて政府は進まぬ移民にある政策を打ち出す。

 それが犯罪者への居住権の譲渡である。

 金属の塊の中や宇宙空間での作業に従事する代わり、ある程度の地球と同じ生活を保障された。

 地球の環境悪化の改善策として打ち出された宇宙への移民計画は、犯罪者へと押し付けられたのだ。

 ある程度の自由は与えられるため、移送者は軽犯罪者が主だった。やがてそれが知れ渡ると桂犯罪率は一気に低下した。誰もが地球にしがみついたのだ。

 しかしそれは犯罪と呼べない軽微な罪、また、スラム街など貧困層での一斉狩りなどで若者が集められる結果となる。

 それはすでに三十年以上も続いていた。



「また新しい居住区が出来たらしいぜ」

 一仕事終えて男達がたむろっていた酒場で誰かが呟いた。また宇宙の監獄が出来たのかと思いきや、本来の目的である移民用の町であるらしい。

 四半世紀前に比べ、最近は本来の目的用の建設が目立ってきている。一生を金属の檻に閉じ込められ、決められた作業に従事しなければならない彼ら元犯罪者にとっては自分達の存在意義を思わず問いたくなる出来事だろう。

「新しい所か?」

「いや、ニュー3の所らしい」

 新規開発ではなく、既存のタウンの一部となるらしい。タウンはいくつかの居住区から成り立っている。初期に開発され、犯罪者を押し込めた居住区をオールドタウン。一般市民が移り住む居住区がニュータウンとなる。それらに古い順から番号を振るのだが、オールド1やニュー1と略される事が多い。ニュー3なら一般市民の3番目のタウンという意味であり、更に居住区単位で表す時はオールド1-1などと表している。

 簡単な区別で分かる通りそれほど居住区は多くない。一つのタウンに一つの居住区しかないわけではないが、それでも数えられる程である。ちなみに、この居住区はオールドタウン2の3番目の居住区である。

 オールドタウンは6まであり、2-3となればどちらかと言うと古い部類に値する。既に初期に移送されてきた者達は家庭を築き、子が既に成人している者も多くいた。勿論子供たちにもここでの居住権が与えられ、ここ以外の居住権は与えられない。犯罪を犯したわけでもないのに、生まれた時よりその生涯の地を決められているのだ。

 ゼンガはその第一世代の人間であった。彼自身は犯罪を犯した事はないが、見境のない一斉狩りの時に犯罪をでっち上げられオールドへ送られたのだ。

 ただそれは珍しい事ではない、同じような境遇の者は全住民の半分以上はいる。特に女性に至ってはそれが顕著である。

 男とのバランスを取るために男以上に犯罪のでっち上げが多いのだ。それでも初期の労働の担い手と言う意味で集められた結果、絶対数では男の方が多く、時々居住区内で性犯罪まがいの事も起きていた。

 その中でもゼンガは妻を迎え一男をもうけている。これが地球なら平凡な人生だっただろう。しかしこんな監獄の中ではそれがいかほどのものだろうか。

 だが地球への未練を薄れさせるのに結婚という手は効果があった。そのあたり政府の思惑通りで癪ではあるが。

「ザムス、イラつくな」

 ゼンガがボツリと前に座る男に呟いた。目の前のザムスと呼ばれた男の肩は震えている。だがゼンガの言葉に自分の状態を悟り、震えを抑える。それが出来ないほど若くはなかった。

「ゼンガ、オレの家で飲みなおそうぜ」

 急に立ちあがったザムスは、ゼンガの返事も聞かずに席を立つ。いつもの事なのでゼンガは軽いため息だけで彼の後を追った。



 ザムスは五十を過ぎて一人身である。特にここでは珍しいと言う事でもないが、彼は意図的に結婚を避けていた。ゼンガも何度も聞かされている、地球に婚約者がいるのだ

 もちろんもう相手がザムスを待っている事もないだろう。帰ってこないと分かっているのだから。

 ザムスが軽めの酒を用意する。つまりは話があるのだ。が、何の話だ? と切り出しはしない。内容は察しがついている。

「この前こっちに来たやつらの中に、一人機械に詳しい奴がいる」

「この前? そういえば久しぶりに新人が来ていたな」

「あぁ。何人かに話しかけてみたんだがな、そいつの頭のいい事」

「そんな奴がどうしてこんな所に来たのか」

「それは……まだ狩りがあるらしい」

「なろほどな。そうか、まだあるのか」

 ザムスは窃盗の罪で捕まったが、ゼンガは一斉狩りありきの冤罪である。

「もういい加減、それも終わったと思っていたんだがな」

 オールドタウンには地球の情報は中々入ってこない。娯楽番組はあるが、ニュース番組はない。先程のニュー3の新居住区の話も、警備兵の話を誰かが小耳にはさんだのだ。

「そいつを巻き込むのか?」

「それはまだ考えてない。ただオレ達は今の機械に疎い。あいつが居るだけで成功率は絶対に変わる」

 結局巻き込むつもりか、とゼンガは確信する。別にザムスの計画には協力するつもりだし邪魔するつもりもない。ただ無関係の人間を巻き込むのは、と思うのだ。

「今で八十人はいる。あいつが協力してくれて、少し監視センサーなどをいじる事が出来れば可能性は格段に上がる」

「そうだな。で、そいつは協力してくれそうなのか?」

「どうだろうな。印象としては物事にあまり深く考えないタイプだと思うが」

「軽い、と言う事か?」

「いや、興味がない。という感じだったな」

「そうか」

 性格的には悪くはない。が、犯罪者でない者を犯罪者にするのかと思うと気が重い。それでも計画者はザムスなのだ。友人としては気の済むようにさせてもやりたい。

「今度そいつと会う約束をしている。お前も来るか?」

「相手は何歳だ?」

「二十四だ」

「……若いな。そんな若い奴に五十過ぎの男二人で詰め寄るのか?」

「ははは、それもそうだな。何となくお前と気が合うと思ったんだが、今回はオレ一人で行くよ」







はい、嫌いな人は嫌いな感じになってしまいました。
いつもと違いなるべくあっさり目な文章で書こうと思ったんですが、やっぱりくどくなってきてるかな。

本当はコロニーって書きたいんだけど、パクリまんまになるのでタウンは苦肉の作です。
ここらへん突き詰めたらボロが出るので、軽く流して下さ~い!





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010/11/17 10:57:26 PM
コメント(2) | コメントを書く
[オリジナル小説] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.