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テーマ:公園練習(216)
カテゴリ:公園日記
闇を切り裂く直管マフラー
物凄い爆音を撒き散らし 公園の横の道を走り去る 暴走族なんぞ行ってしまえば爆音は闇に消える 私はもう2時間ほどこの公園で叩いているから 私の方が周辺住民殿にとっては迷惑だろう だからと言って小さい音で練習する訳でも無く、 実際の所は何の対策などしていない ただ練習用ドラムで叩いてるのが唯一の言い訳である また、先ほどのバイクをこちらへやってくる 小気味にアクセルを吹かし公園の横を通過する 暴走族なんぞ行ってしまえばまた夜の静寂に戻、、、、 って オイ、 また来やがった 何度も何度も行ったり来たりしている その度に大爆音を撒き散らしている ちっウルセぇ~なぁ~と練習の手を休める (↑オマエが言うな) くわえタバコで携帯などでメールをしているとぉ~ ボボボボボ 先ほどのバイクがアイドリング状態でのろのろやってくる どうやら2人のりで特攻服姿、いかにも、、いかにも 俺たちブッチギリっ!! みたいなヤツらがコチラを見ている ちっタイミング悪いぜ、叩いてる最中ならシカトなのによぉ~ たまたま携帯でメールしてる所だぜ やがてそのアイドリングの音が跳ね上がり ヘットライドが私を照らし公園の中へと入ってくる ヘットライドに映し出された私は眩しさもあり 相当人相が悪く映ってることだろう ブッチギリ兄ちゃん達は私の2m程にバイクを止め コチラを見ています、暗闇の中ヘッドライトの逆光で 表情はわからないが、明らかに私に用事がある様子 ちっ、なんだよオメぇ~ら、まさか苦情じゃ無ぇだろぉ~なっ!!? と私もツイそんな表情でブッチギリ兄ちゃんを見ます 赤いヘルメットに特攻服、後ろのヤツは黒ヘルメット バイクはカワサキのゼファ?、、、改造が激しくなんだかわからん 後ろの黒ヘルが降ります、どうやら武器など物騒なものは無いようです 私も何気に戦闘態勢に入らざるを得ません ココで負けたら、ココで負けたら オレの大切な 大切な居場所が無くなる この場所を守るためにもコイツらに負ける訳にはいかねぇ オメぇ~よ、何こんなトコで叩いてやがんのぉ~ 毎晩毎晩気に入らねぇ~んだよっ!!ゴラァァ!!! んだとゴラァ!!コッチは金が無ぇ~から仕方ねんだよっ!! なぁ~んて言うとカッコ悪いからぁ~ ん~せめて練習場所が無いぐらいにしとくかぁ~ と一瞬の間に頭の中でシュミレーションを重ねます いやいや、待てよ、コイツらイチャモンじゃなくって ただ単に道に迷ってるだけカモよぉ~ あああ、そう言やぁ~さっきから行ったり来たりしてるもんなぁ~ すいませぇ~ん、極楽浄土への道が分からなくってぇ~ ん?それなら首都高でアクセル全開で突っ込むんだよぉ~ いや、無いな、そーゆー雰囲気じゃないな あれ?黒ヘルのヤツがオレの後ろに回ったぞ 背後からの攻撃ですかぁ~、あんたそりゃ~無いだろ ん?赤ヘルのヤツが動き出したぞ いよいよ戦闘開始かぁ~、 オレ武器は無いのか? あれ?あ、あったスティック? うわヤベ全部チップかカケてるよぉ~ てかスティックしか無ぇの?金属バットとか無ぇ~の? (↑どーゆー公園練習だよ) あああ、ドラムの練習じゃ無くって 野球の素振りでもしてればよかったぁ~ (↑やれば) とブッチリ兄ちゃん達を睨みながらも 頭の中では一人ボケツッコミを繰り返します (↑その状況でやるなよっ!!) すると赤ヘルが動き出します 背後を取られた黒ヘルなんぞどうでもいい 本丸は赤ヘル バイクにまたがりコチラを見ている赤ヘル野郎 ソイツが動き出した まずバイクのエンジンを止め そして私に言います 「チースっ♪」 もの凄く 爽やかな声で言います カワサキの改造バイク 直管マフラー 特攻服 そして赤いヘルメット 先ほどまでめちゃめちゃ物騒だと思っていた井出達も その爽やかで明るい「チースっ♪」の声で瞬時に変わります 「はぁ~?」って顔を私がすると赤ヘル君が言います 「オレのコト覚えてますかぁ~」 「はぁ~?」 「2年ぐらい前にココでドラム叩かしてもらったんすよ」 「はぁ~」 「オレあれから結構練習したんすよ」 「ほぉ~」 「でも全然上手くなんないンすよぉ~」 「へぇ~」 なんでも以前にも私と話をして ドラムを叩かせてもらったとかで、、、 んなコト言ったってよ、ドラム叩かせたヤツなんて 沢山いるからわからねぇ~よ 「へ~じゃ今日も叩いてく?」 「いいっんすか♪」 「おおお、大爆音で頼むぜぇ~」 「オレまじ下手っすよ」 赤ヘル君ドラムに座りペコポコ8ビートを叩き出します 「あああ、思い出したぁ~お前○山高のヤツだろ」 「えええ、そっす、でも辞めましたよ」 しばらく話をして散々叩いて、じゃオレ帰ります とバイクにまたがる赤ヘル君 続いてソソクサとまたがる黒ヘル君 またカワサキの改造バイクのエンジンに火を入れると ブワォォォォン またもの凄い爆音が闇を切り裂きます このバイクよく見るといろいろと改造に手が込んでます アールズのオイルクラーまで付いてます ディスクブレーキもなんかかっこいいの付いてます その爆音の中、私がデカイ声で言います 「バイクかっこいいじゃ~ん!!」 すると赤ヘル君、すぐにエンジンを止めます 「このバイクこいつのっす」と黒ヘル君を指す すると黒ヘル君がペコリとします そしてまたエンジンをかけて帰ろうとした時に また私が怒鳴ります 「あれぇぇ?マフラーどこにあんだよっ!!!??」 またまた赤ヘル君、エンジンを止めるんです ああ、 コイツ、 オレと会話する為に いちいちエンジンを止めてくれるんだぁ~ すると私の質問に初めて黒ヘル君がしゃべります 「これ腹下直管なんすよ♪」 「は、ハラシタチョッカン???」 テレながらも嬉しそうにオレに説明してくれる 黒ヘル君がすごく好印象でしたね でもコイツら世間ではやっぱり悪党扱いなんだろぉなぁ~ オレもさっきまでは戦闘態勢だったモンなぁ~ でもチョットしたコト ちょっとした爽やかな挨拶で ガラっと変わったよなぁ~ しかもエンジンを切ったりのさりげない礼儀もある 爆音を撒き散らし帰って行く姿はバリバリ暴走族 高校中退、特攻服、改造バイク でも でも めっちゃ爽やかで礼儀正しくフレンドリー うん 絶対にコッチの方が大切なコトだよなぁ~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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