娘の就職
こんばんわカレンダー通りのお休みの会社もたくさんあるからか、今日のおたる家はチョピット忙しかったです。 私の店はサラリーマンのお客様がとても多いので、ゴールデンウィークはヒマです。日曜日が定休日なので、家族連れは来るなって言ってるようなもんだと友人に言われましたが、そんなことはありません。でも、わたし日曜日休みが好きなんですー 娘の就職 娘はこの春メイクの専門学校を卒業したが、夜間美容の専門学校に通っているのでバイトで食いつないでいた。でもやはりメイクの仕事に携わっていたいらしく、名古屋で1番大きなメイク事務所の面接を受けに行った。面接ではコテンパンに娘のしていた化粧をこき下ろされ、「あなた、自分の顔のメイクはヘタね。あなたにしてもらいたいと思うモデルはいないわよ」とまで言われ、へこんで帰ってきた。絶対に受からないと落ち込んでいたが、今日合格の返事があったらしく、夕方私に電話をくれた。 仕事はアシスタントのアシスタントで、スタイリストの手伝いから始まり、アイロンがけからカバン持ち、およそメイクとは関係のない仕事からやらされるらしいが、給料はない。 板前の世界は厳しいが、美容の世界も負けず劣らず厳しい。給料なんてお小遣い程度らしい。面接の時「ご飯は食べれるの?」と聞かれた。食欲はあるかという意味ではない。お金がもらえなくても、ご飯を食べる当てはあるのかという意味である。 そうやって何年も修行し、ようやくお金がもらえるメイクアップアーチストに成長させていただくのだ。その何年かの修行に打ち勝つものが一握りのプロになれる。 娘は落ちたと言っていたが、私は絶対合格すると思っていた。会社にしてみれば、色んな人材を集め、そこに残れない者を振り落としていくだけだ。来る者はあまり拒まないのではないだろうか。つらい修行に負けた者はそこに残れない。厳しい世界だ。 私は自他共に認める親バカである。娘の才能はわからないが、娘の根性に期待したい。 あと1年半夜間の美容学校に通い、来年の9月の国家試験も目指さなければならない。頑張ってほしいけど、精神的におかしくなるくらい、辛かったらやめてもいい。だって親バカだから。 人間って迷いながら生きていると思う。仕事も恋も結婚も。右に行こうか左に行こうかと選びながら進んでいくものだと思う。そうやって自分の生きていく場所を見つけていくんじゃないのかな。 私も迷いながら生きてきた。付き合ってた人(夫)と東京へ行こうと決めた時も、自分で店をやろうと決めた時も全部自分で決めたことだから後悔をしたことがないが、唯一悔やむ事があるとしたら、北海道より遠くに離れてしまったために祖父や祖母や伯父の最期を看取る事ができなかったことであろうか。 妊娠7ヵ月の時に祖母が亡くなった。私は東京に住んでいて、朝1番の飛行機に飛び乗った。昔は千歳空港からJRの千歳空港駅までは長い連絡通路でつながっていた。その連絡通路を泣きながら走った。遠くへ行ってしまった自分を悔やみ、もっと早く側にいてあげればよかったと思ったら泣けてきた。生きてきた中であれ程の後悔はない。いつでも自分を受け入れてくれる暖かな場所だったのに。 娘と私にもいつか必ず悲しい別れがやってくる。その時娘に仕事であっても、家庭であっても生きていく場所がちゃんとあることを祈っている。 PS.娘の彼氏は土日休みのサラリーマンらしい。美容関係は土日は稼ぎ時だ。娘が彼氏と うまくいかなくなったらいやだから、普通の会社で働こうかなと迷った時、私は言っ てやった。「男は3年であきるけど、仕事は一生もんです」と。