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2019.07.26
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カテゴリ:父の麦わら帽子
 私は、今から60年以上前、岡山の田舎で子供時代を送った。
その頃の七夕は、ひと月遅れの八月七日だった。
この日は、朝からいそがしかった。
 ラジオ体操から帰ると、お盆と茶碗を持って、家を出て、近くの田んぼに行く。
田んぼの稲に残っている朝露をお盆にすくい、茶碗に入れる。
緑の葉  田んぼの隅に植えてある里芋の葉に残っている玉のような丸い露も茶碗に受ける。

茶碗にたまった朝露を家に持って帰って、その露で墨をすり、その墨で短冊に願い事を書く。
竹 その間に、父は家の横にある竹藪に入り、小さめの竹を2本切ってくる。

2本の竹は、裏の縁側に立てられ、縁に■小さな机■を置いた。
なす  ナスビにマッチを4本さして、牛のあしとした。
キューリ  キュウリにマッチを4本さして、馬のあしし、トウモロコシのヒゲをつけて尻尾にした。
 その、牛と馬を机に置いた。

一方、2本の竹には、色紙を切って、墨で願い事を書く。
短冊の一方の端に、河原で採ってきた雑草をつけて笹につけた。

この日のおやつは、焙烙(ほうろく)で焼いた■「流し焼き」■。

鍋の中に、水でといた小麦粉に砂糖を加えたのをいれ、タネをつくる。
しゃもじにすくって、焙烙に流すとすぐ、焼きあがる。
小麦粉を流して焼くから流し焼きというのだろうか。

夜、天の川を見上げて、過ごした。
次の日の暗くなると、手火(てび)という行事があった。
長い竿に麦わらで作った三角錐の「もじ」をつけ、その中に花火を沢山入れておく。
その下では、火のついた松の薪を持って、合図と共に、手火に投げ入れる。
高い竿なので中々届かず、何度も手火が空に舞い、その都度、悲鳴が上がった。

手火(てび)が、「もじ」に届くと花火が上がった。
見ている大人からも子どもからも大きな歓声があがった。

あっという間に花火は終わった。
来年まで、七夕も手火(てび)もない。
けれど、まだまだ夏休みの楽しみはあると思った。
七夕と手火は、夏休みの前半を彩る楽しい行事だった。
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Last updated  2019.07.26 00:02:01
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