映画『ソーシャル・ネットワーク』が示唆する答え
就活に悩んでる場合じゃないのですよ。大学というブランドに望みをかけてる場合でもありません。Facebook創業者のFacebookの立ち上げから現在に至るまでの物語を描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』を、高卒くらいから見ておいた方がいいですね。その上で、自分が何の為に大学に行こうとしているのか、見つめなおした方がいいでしょう。もちろん大学生の皆さんにとっても、限界まで就職浪人してる人にとっても、卒業して数年して未だ探してる方にとっても、示唆に溢れています。Facebookに似たサービスは、以前からありました。SNSというくくりで言えば、排他性を確保したクローズドなネットワークはmixiその他ありますが、ではなぜFacebookは成功できたのでしょうか。その理由は各自で考えて頂くとして、この映画が示唆する所は明白です。新たな価値を見出し現実の存在として具現化する事、資本主義で言う新たな(付加)価値の創出こそが、最重要事項であり、最も大きな富を生む源泉になるという事実です。主人公である創業者は2つの訴訟を同時に抱えますが、その訴訟相手の片方はサービスの概要(アイディア)の下敷きを出した人達。片方は共同創業者であり初期出資者でもある親友です。あまり褒められたやり方では立ち上げなかった為に、主人公は訴えられた訳ですが、アイディアを盗まれたと訴えた人達は大学の学長にもかけあいます。大学の倫理規定集にも他人の物を盗むなと書いてあるじゃないかと。ここでの学長の回答がふるっていますね。「新しいアイディアを出して、新しい事業を立ち上げなさい」と。法に訴えたければ訴訟を起こせばいいだけだ。そんな下らない退屈な話を私に持ち込むな、とも。主人公はアイディアの盗用に関して、こう反論します。自分はコードの一行たりとも彼らから盗みはしなかったと。つまり、アイディアを盗まれたと訴えた側の失敗は、アイディアの実現に関してコード(プログラム)を書ける人物に全てを委ねてしまった点です。もしその後の経過の可能性に関して少しでも洞察できていたのなら、彼らにはもっと違う絵が描けていたでしょうし、手にしたお金の桁は違っていたでしょう。初期出資者でありCFOであり親友でもあった人物も、見えていませんでしたね。いろいろな物が。挿話が事実かどうかは知りませんが、創業者の一人なのに自社製品の操作方法などを知らなかったという場面などは、示唆に富んだ場面です。彼がどんな経緯で会社を追いだされる羽目に陥ったのかも。で、この映画を観た人達でも言うかも知れません。それでも全員が起業できる訳じゃないし、起業してうまくいく人なんて僅か数%いるかどうかという程度じゃないかと。で、私も言う訳です。その数%を生み出す事が、その一部になろうとする事が、その挑戦そのものが、これからの日本にとって何よりも大事な事だと。日本の市場なんていろんな場面で縮んでいます。製造業に限った話でなく、音楽配信でもそうだったりします。だから、視点を変えてみて下さい。なぜ就職先を探すのかを。それは就職する為じゃないですよね?就職する事は目的じゃなく、そこで収入を得る為ですよね?収入を得るには、就職している事は必要条件ではありませんよね?絶対的に就職先が足りていない状況で、職安が無駄だとは言いませんが、縮んだパイの中で取り分を獲得する事を目指すのではなく、パイそのものを膨らませる事が最重要課題なのです。そして、似たような境遇にいる人はそこら中にいます。日本国内だけでなく、世界中にも。教育機関も、職安含めたお役所も、協力してあげて下さい。答えはいろいろあると思います。もう、企業の採用早期化云々なんてのは完全自由化でいいでしょう。学生さんは、そんなの無視して下さいね。高校生以下の方々は、大学は基本無視でいいと思います。その先のキャリアパスでその教育内容が必須となるもの以外は完全無視で問題無いでしょう。2年遊んで2年以上地獄を見るというのもワリに合ってないでしょうし。断言しておきますが、誰にでも入れて誰にでも卒業できる大学に、その教育内容を含めて、存在価値はありません。そんな時代はもう到来しかけています。大学側の皆さんは、そんな危機感をもっと学生さん達にも伝えて下さい。資格を満たさない者は進級させず卒業させない事もまた立派な就職支援であり、自らの品質証明になる事を忘れないで下さいね。それではまた。<参考記事>・こち駒やだニュース004:採用早期化防止、企業反発