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カテゴリ:失敗談
この失敗も雪印乳業に勤めていたころの話です。 その日も産院での仕事で、病院直行の日でした。11時の仕事に、9時半頃に慌て家を出ました。 この頃を思うと、われながらよく働いたと思います。 朝の家事をして、2歳を1番下に 3人子を保育園や学校に送り、それから出勤です。 その日、五日市駅まで着て、財布を忘れたことに気が付きました。 「しまった!どうしよう!これから家に帰ったのでは仕事の時間に間に合わない」と判断し とっさに五日市駅横にある交番に飛び込みました。 中年の駐在さんが出てきて「どうしました?」と聞きました。 「あのーすみませんが 財布を忘れてきたんです。どうしても次の電車に乗りたいんです。お金を貸していただけませんでしょうか?」と私。 駐在さんは「警察が一般の人にお金を貸すことはやっていません。どんな方にもお貸ししません」とすげない返事。 しかし、私は次の電車に乗り遅れたら、指定の時間に間に合わないのです。 弱い立場の病院出入り業者の私としたら絶対に遅刻はあってはならないこと 「もう明日から来ないでください」と言われたらお終いなのです。 もう駐在さんにくい下がるしかありません。 「どうかお願いします! 次の電車に乗れなければ 私は首になるかもしれません。 電車代だけでいいですから お願いします。私はこの町の住人です。かならず今日中にお金はお返しに参ります。」と頼み、 その上 ついにこんなことまで言ってしまった。 「夫は五日市高校の教師をしております。だから信用してください」と食い下がったのです。 駐在さんは、私の迫力におされ 「仕方がない。じゃー 私のポケットマネーから貸しますよ。本当はこんなことはしていけないんですよ。じゃ交通費だけでいいんですね」と言いながら 自分の財布から 500円お金をだしました。 ところが厚かましくも私、 「ありがとうございます。本当に厚かましいですが お昼代と合わせて1000円にしていただけませんかと」と。 駐在さんは呆れた顔をしながら仕方なく 1000円貸してくれたのです。 もちろん、帰宅してからすぐ お礼のお菓子と一緒に1000円を返しに飛んで行きました。 ほのぼのとした良い時代でした。でも弁当代まで駐在さんに借りたのは私だけかも知れません。 その夜帰宅した夫は「おいおい!そんなところで勤め先の名まで出さないでくれよな」と苦笑しました。 今、五日市駅は赤い屋根のモダンな建物に改築され、交番も場所を少し変え、立派に新築されました。個人的には昔の五日市駅の風情の方が好きですが。 あの優しい駐在さんはどうしておられるでしょうか。きっと退職されていると思います。 ありがとうございました。 懐かし五日市・秋川 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年08月14日 12時15分57秒
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