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奇妙な惑星   ~Peculiar Planet~

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August 28, 2005
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カテゴリ:楽しき日々(mumbling)
仲良しの友人4人で2週間、ユタ州とアリゾナ州へ
トレッキングに行ったときの話である。
その日は桃色サンゴの砂丘へ出かけることにした。

荒野の中に突然ぽっかりと広がるピンク色の砂丘。
風の向きで刻々と形を変え、
それはまるで不思議な生き物のようだった。

pink coral sand dune 1



連日のトレッキングで少し疲れていた私たちは
砂丘で、ほんの少しだけ遊んで宿泊地に戻るつもりだったのだ。
車にすべての荷物を置き
私たちは、うきうきしながら砂丘の中に入っていった。

砂についている動物の足跡
砂の間に咲き乱れる花々。
すべてが、本当に愛おしく
抱きしめたくなるような風景だった。

15分後、Rがのどが渇いたので車に戻ると言い出した。
MとLと私は、もうちょっと遊んでいたかったので
後で車に合流することにした。

午前11時すぎの炎天下、
私たちはまるで子供のように砂丘を走り回り
大声をあげて、はしゃぎまくった。

そろそろのどが渇いてきたので、
車に戻ることにした3人は
それでもまだウキウキしながらジグザグに歩いていた。

pink coral sand dune 2



ふと見ると、砂の中に鍵が落ちている。
半分埋まった鍵を拾い上げると、
Lが後ろから走って追いついてきた。

「ねぇ、鍵よ。こんなところで鍵をなくしたら
それこそ二度と見つからないわよねぇ。
なくした人、本当にかわいそうに…」

私は振り向いて、Lにそう言いつつ
突然血の気が引いていくのを感じた。
それは、Rが持っていったはずの
私たちのレンタカーの鍵だったのだ。

あと5分遅かったら、鍵は完全に埋まっていたかもしれない。
国道を降りてから、人には全く出会っていない。
この砂丘から最寄の村までは40キロ以上
ベースとして使っていた宿舎までは120キロある。
もちろん携帯など通じるはずはない。
その上ちょっとだけ遊ぶつもりだったので
水も車の中においてきたのだ。
これから午後になれば気温は40度を軽く越えるだろう。

LもMもかんかんである。
私たちは「死に損なった」のだ。
「Rが戻ってきたら、鍵なんて知らないフリをするわ!」

しかし、真っ青な顔をして汗を流して
必死で鍵を探しているRを見たとたん
私たちのイジワルな気持ちは一瞬にして消え去った。
「鍵見つけたよ、大丈夫だよ、心配しなくていいからね!」

私たち4人は抱き合って
「生きていることの喜び」をかみしめた。


pink coral sand dune 3
↑あまりのショックに倒れた私(さそりに注意)





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Last updated  August 29, 2005 12:10:36 AM
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