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奇妙な惑星   ~Peculiar Planet~

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October 9, 2007
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緯度が北樺太と同じくらい高いアイルランドの空は太陽が低く

お昼前だというのに午後4時の空のようだった。

吸い込まれるように青い空に魅せられて

私は、何枚も、何枚も、空の写真を撮っていた。

何枚とっても、その美しい青を写真に写し取ることはできなかった。



私が空を眺めている横で

Lは、電話をかけている。

「そう、そう。じゃあ、40分後にまた電話するわ!」



電話をかけ終わると、Lが変な顔をしている。

「何かが、絶対におかしい。」



私たちがアイルランドに来た目的の一つは、

デリーの故郷を訪ねることだった。



デリーは、Lの幼なじみの父親でカリフォルニアに住んでいる。

若い頃に、兄のパディと共にアイルランドからアメリカに移住したデリーは

昔は、アイルランドにたまに帰っていたものの

もう、かなり長いことアイルランドに帰っていない。

奥さんを数年前に亡くして、落ち込んでいるデリーに

アイルランドに、遊びに行けばよいのに というと

「もう歳だからね。無理だよ。」と言われてしまったのだった。



もう、アメリカに骨を埋める覚悟ができているのだ。



2度と故郷を訪ねることはないだろうことを悟るというのは

どんなに胸がひきさかれることだろう。

「私たちが故郷を訪ねて、生家の写真を撮ってくるわ!」

いい加減に決まったアイルランド旅行ではあったけれど

そんな使命が、私たちにはあったのだ。



私たちは、ダブリンに住むデリーの姪、オリビアに連絡を取り

デリーの故郷近辺のホテルで、どこかいいところがないかと尋ねた。

「兄のアートとジョンに連絡をしておいたから、すべて万端よ。

町に入る前に、アートかジョンに電話をしてね!」

オリビアからのメールには、そう書いてあったのだ。



「ねぇ、何がおかしいの?」

私は、カメラの画面をチェックしながらLに聞いた。

「アートは、私たちがくること知らなかったに違いないわ!

 ごまかして、適当に私と調子を合わせて

 あー、はいはい。そうでしたね!って言ってたと思うの。」

私たちは、顔を見合わせて肩をすくめた。



どこかで羊がないていた。



つづく。



ガソリンスタンドで休憩中。











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Last updated  October 25, 2007 06:03:23 AM
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