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先日のNHKの番組を観て、コンピューター将棋についての認識がまた少し変わりました。
3つの駒の作る図形がどうのという話は、確か以前にも聞いた事があったのですが、その時は意味がよく分かっていませんでした。 いや、今でもよく分からないのですが、少し目の前の視界が開けたような気分になりました。 ボナンザが登場した頃に『全幅検索』という言葉を聞きましたが、その意味もよく分かっていませんでした。聞いた時には「なんだか、かえって負担を増やしているんじゃないのか?」と漠然と感じたのですが、恐らくはその『全幅検索』に図形の考え方がプラスされたものがセットになっていたのではないかと思います。 数十万局に及ぶ過去の膨大な棋譜の中から、『勝利を呼ぶ図形』というものを見付け出して、その図形が多く含まれている局面を評価の高い局面とする…… どうも、分かる人には未熟な説明のような気がするし、分からない人にとっては何を言っているのかさっぱり分からないような……まあ、構わずに続けます。 まずは教材となる棋譜の存在が絶対的に必要となる訳で、決してルールさえ教えればあとは自動的にコンピューターの計算能力で答えを出してくれる、という事ではありません。 詰将棋を解答する事に関してはそうなるのでしょうが、一局の将棋を指す能力というのは、その部分も含むけれどもそれ以外の割合の方がはるかに多い訳です。 ようは、序中盤の人間でもよく分からない、明確に答えを示し難い局面において、いかに判断材料を得るか、そのために無理矢理にというか試行錯誤を繰り返して編み出した方法という事なのでしょう。 ボナンザの登場によってある意味横並びになったとも言えますが、個々の開発者の独自の工夫とかがあり、ソフトによって細かな違いもあれば大きな違いもあるのでしょう。(コンピューター選手権では25分切れ負けという条件に合わせたりまたは対コンピューター専用の珍妙とも言える作戦がとられる事もあります) 今後もまた新たな手方が編み出されて行くのでしょう。 ただ、現状では人間の棋譜をベースにしているだけ、という見方も出来るように思います。 もし自身の思考を人間的な会話として説明出来るロボットがあるとして、そのロボットに将棋ソフトを内臓させた、そんな存在があったとしたら、そのロボットと将棋を指して感想戦をすれば 「この手は、羽生さんがよく指している形なので指しました」 と言った具合に、むしろ人間をリスペクトする発言が頻繁に出てくるのではないでしょうか。 入玉の将棋が苦手だったり、銀鋏みを理解していなかったりするのは、入玉将棋では特有のテクニックがありその考え方の切り替えが難しく、また人間の棋譜の教材が少ないために学習出来ていなかったり、そんな弱点も抱えています。 そういう事を全く考えないで、単純に人間を超えてしまったと決め付けてしまうのはどうかと思います。 それでも人間よりも強ければ、それで充分じゃないか、という事は言えますが。トッププロが勝率5%とかだったら、それはもう人間の敗北といっていいでしょう。 ただ、コンピューターが神様の代わりになる、という事はまだまだ実現されないのではないかと思います。 これは某掲示板に書かれていた事から思い付いた事で、コンピューターに人間が抜かれてしまって落胆するよりも、むしろ新しい希望というか楽しみ方の一つを見付けたような気分になっていたのですが、どうもそれの実現はまだ遠いように思いました。 ようは、コンピューター=神、となるかどうか、という事です。 神様と角落ちで指したらどうなるか? というテーマは昔からありました。香落ちなら負ける、角落ちなら絶対に勝つ、という感覚の棋士は多いのではないでしょうか。将棋世界の「イメージと読みの将棋観」でもテーマとして取り上げられました。 角落ちなら自信はある、けど100番指して、90勝という人もいれば100勝、70勝という答えもあったように思います。 そうした事はあくまで机上の話であって、実際に確かめようのない話でしかない筈だったのですが、コンピューター将棋の登場によってそれが現実のものとなるのではないかと思いました。 そうなるとコンピューターにかなわないという絶望感よりも、むしろ楽しみが増える、という考え方もあってもいいでしょう。 ただ、そうなるにはまだまだ遠いのではないかと認識を新たにしたのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.22 07:20:08
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