月の扉（著）「月の扉」★★★

2007.06.02

月の扉

■ストーリー
　沖縄・那覇空港で、登校拒否児童などの傷んだこころを癒すキャンプを実施している３人が旅客機をハイジャックした。
　彼らの要求は、那覇警察署に留置されている「師匠」を空港まで「連れてくること」
　しかし、機内のトイレという密室でで乗客の一人が死体となって発見され、事態は混迷する・・・。

■感想など
　「2006年版このミステリーがすごい!」など各種ランキングで話題の作家による作品。
　ミステリーとファンタジーの境界線を行く作品で、そこが魅力でもあり、弱点でもある。
　密室殺人やハイジャックを題材にしたミステリーとして読むと必ずしも成功しているとは思わないし、ファンタジーとしてはありきたり・・・両方の面で中途半端。
　「極限の閉鎖状況」「スリリング」などの惹句通りとは言えない感じで、やや「評判に偽りアリ」・・・・恩田陸が書けば収まりがイイって感じのストーリーです。

◆

　ジャンルにこだわらずに、読み物として楽しめばそれで良いのかも知れません。
　文章は読みにくくないし、すらすらと読み終えてしまいます。
（余韻まで求めるのは酷かも・・・。）
　成長途上の作家さんなのかな。