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テーマ:洋楽(3317)
カテゴリ:70年代洋楽
プログレ特集の最後はアメリカン・プログレっちゅーヤツです。 アメリカン・プログレと呼ばれるものの特徴を並べると、透明感あるハイトーン・ボーカルとハーモニー、ハード・ロック的なギター、シンフォニックではあるが軽い音色のシンセサイザー、ちょっと能天気さをも感じさせるポジティヴなメロディとサウンド…などイギリスのプログレとは対照的な部分が多いのだが、このカンサスも変拍子を多用するという部分が英国プログレ的ではあるものの、上に挙げた特徴がほぼ当てはまる、アメリカン・プログレを代表するグループと言える。 そんなカンサスの通産5作目にあたる1977年のアルバム「Point Of Know Return(暗黒への曳航)」(写真)は、アメリカン・プログレの代表作として知られる前作「Leftoverture(永遠の序曲)」に比べてよりポップでコンパクトな作りとなっており、後の産業ロックをも予感させるサウンドを持ったこのアルバムは全米4位を記録、400万枚を売り上げるヒット作となった。 その中の一曲「Dust In The Wind(すべては風の中に)」はケリー・リブグレン作の名バラードで、その比類なき美しさはもはやスタンダードと言っていいほど。 アコースティックギターのなめらかなアルペジオのイントロだけでも骨抜きにされてしまうが、憂いを帯びたメロディと、不穏な音色のバイオリンを大きくフューチャーしたサウンドはほとんどブリティッシュ・トラッドと言えるもので(そのためかアルバムの中でもおもいっきり浮いているw)、そんな曲がアメリカン・プログレの代表格であるこのグループ最大のヒット(全米6位)となってしまうのだから面白い。 結局この曲の持つ有無を言わせぬメロディの美しさが万人の心を掴んだという事なのだろう。日本じゃCMにも使われてたし(笑)。 東洋哲学を感じさせる歌詞も素晴らしい。 プログレ云々に関係なく一度は耳にしたい名曲だ。 (歌詞対訳) 目を閉じると それがほんの少しの間でも 時は過ぎ去ってしまう 夢を見れば全て それは単なる好奇心となって 目の前を通り過ぎて行く 風の中の塵となって 全ては風に消えて行く いつもの古い歌 それはほんのひと粒の水滴 どこまでも深い海に落ちるような 何をやったとしても 最後には土に還ってしまう たとえ目を背けようとしても 風の中の塵となって 全ては風に消えて行く しがみついても無駄だ 永遠のものなんてありはしない この空と大地を除いては 全てが消えていってしまう 財産を全て投げ打っても ほんの一瞬ですら買えやしないんだ 風の中の塵となって 全ては風とともに消えていく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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