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テーマ:洋楽(3317)
カテゴリ:70年代洋楽
倉庫の中で録音したというサウンドは、それまでの荒々しい感触を残しながらも緻密なもので、ひとつひとつの音が複雑に絡み合い、濃密な音空間を作り出している。 1曲目の「Back In The Saddle」は、当時のコンサートのオープニングにも用いられたヘヴィなナンバーで、緊張感溢れるイントロからもう耳は釘付け。 スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーが真っ向から激突し、スティーヴのはちきれんばかりのシャウトと、燃えるようなギターの応酬が息を飲むようなテンションを生んでいる。カウボーイが突っ走るようなリズム・アレンジもイカす。 この曲だけで即名盤決定なのだが、3曲目の「Rats in The Cellar(地下室のドブねずみ)」も、ダーティでふてぶてしいオーラがみなぎるエアロならではのロックナンバーで、そのギラギラした疾走感が卒倒しそうなほどカッコいい。 その他にも、リフが印象的な「Last Child」、重くヘヴィなギター・サウンドが怒涛のように迫ってくる「Combination」、思わず一緒に歌ってしまうキャッチーなメロを持った「Lick And A Promise」、ラストを飾る美しくそして悲しいバラード「Home Tonight」まで、一瞬たりとも耳を離す事を許さない驚異の34分だ。 粒の揃った楽曲、優れたプロデュース・ワークもさることながら、このアルバムの持つ輝きとスピード感は、チンピラ・ロッカーだった彼らの「怒り」と「混沌」ゆえのものだと思う。 このアルバムが発表された1976年、海の向こうのイギリスでは、ほぼ時を同じくしてパンク・ロック・ムーヴメントが起こったという事実も忘れられない。 アルマゲドンの歌がエアロだと思っている人は今すぐそれを捨てて、このアルバムを聴きましょう。つーか聴け お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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