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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:ビートルズ
'70年の大作「All Things Must Pass」に収録のナンバーで、シングルカットされた全米No.1曲「My Sweet Lord」のB面(日・米盤)としても発売されている。 初出はいわゆる「Get Back」セッションで、1969年1月26日にジョージがアコースティック・ギターで弾き語りをしている。 ビートルズでの録音を見送った経緯は定かではないが、これは結果的には大正解だった。 メンバーが途中でサジを投げたこのアルバム(「Let It Be」)の後始末に悪戦苦闘していたフィル・スペクターのオーバーダビングの様子を見に来たのはジョージだけだったが、それを見たジョージは自分のアルバムのプロデュースをフィルに依頼。フィルは快諾したという。 ディミニッシュコードを効果的に使うジョージ独特のソング・ライティングと、フィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドの相性は抜群で、まさしく音宇宙というべきサウンドを形成している。 「My Sweet Lord」同様、ジョージの宗教趣味が色濃く出た一曲だが、その事が全体に不思議な浮遊感をもたらしており、同じフレーズを反復する曲構造も余計にトランス感を増幅させている。 それまでのビートルズの音楽とは違う、ジョージらしい繊細さと壮大なスケール感を併せ持つサウンドは、ジョージを「ビートルズの脇役」くらいにしか思ってなかった人達を驚愕させた。 同時期に、貧弱なプライベート録音作品「McCartney」を発表してヒンシュクを買っていたポールもこれを聞いて「やべえ、オレもちゃんとしたの作んなきゃ」と思ったのでは? ポールの傑作2nd「Ram」収録の「Uncle Albert~Admiral Halsey」や「The Back Seat Of My Car」のゴージャスなサウンドを聴くと、ちょっとそんな想像もしてみたくなる(笑) アルバム「All Things Must Pass」にはこの曲が2バージョン収録されている事からもジョージ本人にとっても自信作であった事が伺える。 ジョージにとって最後の公演となった'91年の日本ツアーでも披露され、ファンを喜ばせた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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