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カテゴリ:読書ろぐ
先週、ブックオフで105円で買った本。 移動の電車内でちびちび読んでたんですが、最後は、 怒涛の展開につりこまれ、深夜のベッドの中でダダーッと 読んでしまいました♪ 『明日の記憶』を読んで、他の作品も読みたくなった作家さん。 どこかで石田衣良さんが「2006年は荻原浩がくる!」と オススメしてて、さらに気になったりして。 話題作『あの日にドライブ』が読みたかったんですが、 過去の作品も評判が良いようなので、とりあえず、 ブックオフで出会ったこの作品から読んでみました。 最初は…それほど面白い、とは思わなかったです。 マーロウかぶれの、でも動物探しばかりしてる、 情けない探偵が出てきて、何の因果か80過ぎのおばあちゃんに 押しかけ秘書をされてしまう。 細部にくすり、と笑えるくだりはあるんですが、 笑ってしまうと、探偵さんに悪い…というか、かわいそうに なってしまって、心置きなく笑えないような感じで。 あれー、このまま最後までいくのかな、 だとしたら、なんつーか読むのがしんどいなぁ、と思ったら、 ちゃんとミステリーになってました。 …てかミステリーなんですね、これ。 知らずに読んでました(笑)。 現実世界で座りにくそうな探偵さんですが、不器用でも、 滑稽でも、彼がやっと辿り着いた立ち位置なんだなぁ、と。 ハードボイルドに染まって、でも現実には右往左往するだけの 情けない男ではなく、現実のハードさを受け入れるために、 「タフでなければ生きていけない」という生き方を”選んだ”男。 それがわかると、どんなに決まらなくても、浮いていても、 語り手の探偵が魅力的に思えました。 おばあちゃんもタダモノではなかったです。 終盤の展開は、ぞっとするような怖さもあり、 テンポ良く進んで行きます。 笑いで落とすところは落とすけれど、ラストは ちょっと違う味付けでした。 それをセンチということもできるけれど、やっぱりホロリ、 とさせられました。 かなり楽しめた1冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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