テーマ:読書の愉しみ(966)
カテゴリ:日記
『テニス・コート』なぜこの本を勧められたのか。長年の謎。
![]() もう数十年も前、社会人なりたての頃 会社の飲み会の帰り男性の先輩から 電車の中で並んで腰掛けながら 「○○さんにはこれを読んでみてほしいかな」 と薦められていた本がありました。 読書は嫌いではないのですがスルーしていて まだ読んでいませんでした。 それを今なぜか思い立って図書館で借りて読んでみました。 不思議な話でした。 テニス・コートで知り合った男女4人のお話。 人生で道に迷っている3人に テニス・コート オーナーの男性がある薬を渡す。 それは有事の際、自分のとる態度の判断に迷った時 ベストな判断をくだすことが出来るようになる薬 なのだという。 そして・・・ そんなストーリーでした。 「人間と動物の違いは、人間には前頭葉があって よけいな(守るために必要な?)考えをもつところだ。 もし、この働きを一時的に断ち切って 精神の弱さと人間性の放棄をうながしたとして、 その時感じられる解き放たれた多幸感と それによる行動が純粋であるならば それは「愛」に似たものではないか。」 著者は不眠症で心が衰えている時 誰より優しく誠実な心持ちになり、 対策で投与された睡眠薬を服薬した時、 幸福感で神に祈りたいほどだったそうな。 「麻薬」は常習性があり最初は効いたとしても 次第に精神と身体を蝕んでいく。 でも、もし仮に常習性も身体等に危険もなく 服薬の時の解き放たれた純粋な心持ちを 維持してくれる「秘薬」があったとしたら・・・? そういった経験と思いからくるコンセプトが この小説にはあったようです。 前頭葉は思考、判断、情動のコントロール、コミュニケーションといった高度な分析・判断を司る大切な部分です。ですが、ききすぎると余計な心配を先回りして察知しがちでその点はちょっと煩わしい部分ですね。 「麻薬」(ダメ!絶対!)や「飲酒」(ほどほどに・・・)はそのききすぎる部分を少し麻痺させて楽にさせてくれるから常習性が出やすいのでしょうか。ただその分やらかすことも多そうですが。(何にしても麻薬はダメ!絶対!) なるほどです。 それにしてもなんでこの本を勧められたんだろう・・・ やっぱり「無理してる」って思われたのかな。 そういえば新人の頃は本当にダメダメだったな~ 仕事も遅かったし・・・ それに今にして思えば薦められたなら すぐ読んで感想を伝えるぐらいの気概がない私、 だめだよな~~。と過去の自分にダメ出し(笑) それでその時に理由を聞けばよかったんだよな~。 まぁ、謎のままですが、ようやく数十年来の約束を 果たすことが出来ました。 そして今が、この本からメッセージを受け取るのに 私にとってベストなタイミングだったのかもしれません。 感謝です。
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最終更新日
2023.08.13 07:52:34
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