金融リテラシー(1)
橘玲著の臆病者のための株入門を6月8日の日記で紹介しましたが、その際以下のクイズを出しておりました。元金10万円で、10年間にわたって毎年1万円の配当が支払われる債券を持っていたとする。元金10万円は10年目に返済されるとして、この債券の価値はいくらになるか。1万円x10年分+10万円(元金)=20万円は、不正解です。答えは、10万円です。<解説>まず元金10万円で配当1万円だから年利10%です。・1年目に貰える1万円の価値を、現在の価値に換算すると、 10,000÷(1+0.1)=9,091(円) つまり、現在9,091円を年利10%で運用すると1年後には10,000円になるということです。・2年目に貰える1万円の価値を、現在の価値に換算すると、 9,091÷(1+0.1)=8,264(円) つまり、8,264(円)を年利10%で運用すると1年後には9,091円になり、 その9,091(円)は2年後には10,000円になるということです。・3年目に貰える1万円の価値を、現在の価値に換算すると・・・という風に以降10年目まで繰り返します。結局、現在の価値は金利が高いほど安くなり、金利が低いほど高くなるということが言えます。配当の合計は9,091+8,264+7,513+・・・+4,240+3,855=61,446(円)となります。つまり等比数列の足し算になります。また、10年後に返済される元金の現在の価値は100,000÷(1.1の10乗)=38,554(円)となり、両者を足すと10万円です。これが答えです。金融リテラシーを身に付けないと一般職の銀行員にすらナメられ、そして悪徳金融商品を薦められ、最終的にカモられます。次回、「金利が上がるとなぜ債権価格は下がるのか?」をおおくりします。