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テーマ:本のある暮らし(3215)
カテゴリ:本の話
私は特に「オタク」ではないのだか、それなりに自分の興味があるものに対しては、つい熱中してしまうことがある。
音楽、絵画、映画、漫画、競馬、鉄道、温泉、旅行、そして酒と登山など、けっこう好きなものにはどっぷりはまるほうである。 音楽や絵画などは、アニメや漫画、ゲームなどとは異なり、ある程度“高尚”な「趣味」の範疇になるのだろうか。 80年代初頭の全英ロックシーンに一瞬だけ輝き放った「ポジティブパンク」などというカテゴリーをいまだに熱心に聴き続けている私なぞは、本来なら「オタク」扱いされても良さそうなのだが、あまりそういった目では見られることはない。 絵画にしても、特定の画家や、特定のムーブメントに熱中しても、変に思われることはない。もっとも「印象派好き」をやたら公言していると馬鹿にされることも多々ある気もするが。 私は漫画が好きだ。もっとも本当に漫画に熱中していたのは10代後半くらいまでだが。 大友克洋や諸星大二郎、星野宣之などが好きだった。私の中では大友克洋は「AKIRA」ではなく「気分はもう戦争」だった。もちろん諸星大二郎は「西遊妖猿伝」ではなく「妖怪ハンター」だ。 女性作家の漫画もよく読んだ。一番好きなのが萩尾望都だ。「銀の三角」や「スターレッド」は私の大好きな作品だ。 彼女の作品のテーマで扱われることが多いのが「少年愛」である。ゲイである。 彼女の代表作である「トーマの心臓」はまさにそのバイブルでもある。もう少しリアルに描かれている「メッシュ」や「マージナル」なども秀作だ。 なんでこんな話をするかというと、最近は「腐女子」が注目を浴びてきているからだ。 私も詳しくは知らなかったのだが、「腐女子」とは、男性同士の恋愛やセックスを描く「やおい」や「ボーイズラブ」を嗜好する20代~30代前半の女性のことだ。 私はこういったコミックや同人誌を読んだことはないので何ともよくわからないのだが、なかなかエグイ本らしい。う~む、読んでみたい。 中公新書から発刊された杉浦由美子著のこの本はなかなか面白い。男性の視点からは気づかなかった、現代の女性の置かれている「格差」などが良く書かれていると思う。 結果としてそれが一部の女性を「腐女子」に向かわせている一因だという結論にはいささか強引さも感じられるが、なるほどそうなのかなあと思わなくもない。 いずれにしても、女性は実は男性以上にオタク的要素を持っていると言う話には納得させられた。 ぜひこの本は多くの男性に読んでもらいたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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