だから少女は幻想の国で、永遠の幸せを探した。
『パンズ・ラビリンス』
監督・脚本・・・ギレルモ・デル・トロ
製作・・・アルフォンソ・キュアロン
出演・・・イバナ・バケロ、ダグ・ジョーンズ、セルジ・ロペス、アリアドナ・ヒル、マリベル・ヴェルドゥ、アレックス・アングロ 他
【STORY】
1944年、内戦終決後のスペイン。
父を亡くした少女オフェリア(イバナ・バケロ)は、身重の母(アリアドナ・ヒル)と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。
そこは母が再婚したフランス軍のビダル大尉(セルジ・ロペス)の駐屯地だった。
体調の思わしくない母をいたわりながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に、妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。
そこではパン“牧神”(ダグ・ジョーンズ)が王女の帰還を待っていた。パンは、彼女にささやく、「あなたは本当は魔法の王国のプリンセス。3つの試練を果たせば王国に帰れます。」
パンが招く地下の迷宮は恐怖に充ちている。
それでも、少女は生き延びるために迷宮の世界へ降りて行った。
そうしなくてはならないほど現実の世界は残酷だったから・・・
【解説】
第79回アカデミー賞で撮影・美術・メイクアップの3部門に輝いたのをはじめ、世界各地で絶賛された、ダーク・ファンタジー。
今年初の劇場鑑賞映画は、以前から興味があったこの作品となりました。
新年第一弾としては・・・ちょっと辛かったかな~~~
アカデミーで3部門とったという撮影・美術・メイクアップ・・・
どれも素晴らしかったです。
現実の世界と迷宮の世界。異なる世界の繋ぎ方も良かったし、異形の者たち・・・不気味でちょっとユーモラスで・・・ 怖いけど、なんか可笑しい。。。
オフェリア役のイバナ・バケロ・・・
彼女なくしては、この映画は出来なかったかも知れません、
監督もその思いで~主人公の設定年齢をイバナの年齢に変えてまで、彼女を抜擢したそうです。
それも納得の素晴らしさ。少女特有の“あやうさ”を漂わせながら~強い意志も感じられる。
自分で決断を下せる強い少女。 気弱な母を支える姿にも 何度も泣けました。
『ロード・オブ・ザ・リング』なども どちらかというとダーク・ファンタジーだと思いますし、最近では『ハリポタ』も かなりダークになりつつあります。
それでも この作品ほど全編通して、ダークなダークなストーリーは他に観たことがないです。
“救い”は、一体どこにあるのか・・・
美しい少女に、次々と襲いかかる悲劇は辛すぎて・・・
苦しかったです。
そして、あのラストシーン。
この映画のラストは、各自のとらえ方によって随分変わるのですが・・・
ハッピーエンド好きの私でも、無理やりじゃないとハッピーエンドにならないほど過酷なものです。
現実とは、こんなにも苦しく、つらく・・・そして はかない。
いつの時代も・・・?
マイナス思考の私、見てはいけなかったかも。
マリー的お気に入り度 ・・・ ★★★★★★★★☆☆ (苦しいけれど、作品としてはいろんな面で凄かった。)
マリー的涙度数 ・・・ ★★★★★
グロテスクな怪物たち・・・夢に出てきそう。。。