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カテゴリ:日本の作家 畠中恵
★★★☆
“外交官”留守居役の新之介。欲しいのは“情報”なのだが、弱小藩ゆえ金子も伝手も全然ない。そこに勃発した藩取りつぶしの危機! 畠中“新世界”誕生! 2011年3月発行 新潮社 379p 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 兄上、なぜ死んでしまったのですか?千穂殿、いま何処に?胸に思いを秘め、困窮する多々良木藩の留守居役を拝命した新之介。だが-、金子に伝手に口八丁、新参者には、すべてが足りない!そして訪れた運命の日。新之介に、多々良木藩に、明日はくるか。 感想 ★★★☆ 新潮社から出ているけれど 「しゃばけ」シリーズではない。 どんなお話かな~と思いながら読んだら 新米・江戸留守居役の新之介が活躍するお話。 この新之介が応援せざるを得ないキャラクターで とても楽しく読みました。 江戸留守居役という職業について はじめて詳しく知りました。 「藩の外交官」という位置づけのようですが その仕事ぶりは 「接待」「先例」「根回し」「付け届け」「情報収集」などなど なんだか いかにも日本っていう感じ。 急死した兄のあとを受けて 多々良木藩の留守居役を拝命した新之介。 優秀で見目麗しかった兄とは違い 「平々々凡々々」と評される新之介。 江戸留守居役という藩の外交面を受け持つ 重要な役目に就いて おっかなびっくりだった新之介は 他藩の留守居役に いじられ鍛えられて なんとか役目を果たしていく。 でも この「平々々凡々々」が意外な武器でもある。 愚直で 器用ではないけれど 人に警戒されずに相手の懐に入り込める人懐っこさと 物事の真実を見極める勘のよさが 新之介を ある大きなうねりの中心へと 押し上げていきます。 先輩・江戸留守居役たちや 江戸城のお茶坊主たちや その他 知り合っていく登場人物たちも 個性的で、わいわいと 一大事に向けて にぎやかなことこのうえもなし。 最後は思わせぶりに終わりました。 続編も期待できるのかな。楽しみです。 参考文献にあげられていた 『江戸お留守居役の日記』(山本博文/読売新聞社) も読んでみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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畠中さんの新刊!ほのぼのとして、面白そうですね!
新シリーズになるのでしょうか。 図書館が開館したら、読みたい本を追いかけるのが大変そう…(笑) (2011年04月29日 12時07分33秒)
柊♪さん
こんばんは♪ >畠中さんの新刊!ほのぼのとして、面白そうですね! >新シリーズになるのでしょうか。 >図書館が開館したら、読みたい本を追いかけるのが大変そう…(笑) 面白かったです~。また「しゃばけ」とは違った楽しさがありました。 図書館は5月7日から開館なんですね。楽しみですね~♪ (2011年04月29日 20時24分07秒)
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