女性宮家が皇室を滅ぼす 「弱み」につけ込んだ民進党 作家 竹田恒泰 天皇陛下の譲位を定めた譲位特例法の付帯決議に、女性宮家に関する文言が付されたことが波紋を呼んでいる。皇室典範は、女性皇族は結婚とともに皇族の身分を離れることを定めている。この規定を改め、結婚後も皇室に残れるようにしようというのが「女性宮家」である。政府与党は、女性宮家は「女系」天皇への道を開く可能性があるため、慎重な立場を保ってきた。総理官邸や自民党でも女性宮家の是非を検討した形跡は無い。それに対して、女性宮家創設を強引に主張してきたのが民進党である。 与党は両院で多数を形成しているため、たとえ民進党が反対しても法案を通過させる力を持つ。しかし、天皇陛下の身位に関することであるだけに、与野党合意の元で粛々と進めなくてはならないとの雰囲気があった。与党が民進党だけでなく共産党をも含めて合意を取り付けようとしたのはそのためである。その弱みにつけ込んだのが民進党であった。民進党は、付帯決議に女性宮家の創設を検討する旨の条項を入れない限り、特例法に反対すると明言し、与党に揺さぶりを掛けたのである。 確かに、付帯決議は野党から政府与党に対しての要望を書き入れるものに過ぎず、法的拘束力を持たない。言い換えれば、国会の審議の結果、法律に盛り込まれず、却下された事項に他ならない。しかし、民進党は、女性宮家の検討が付帯決議に盛りこまれたことを武器に、今後政府に女性宮家創設を検討するよう執拗に迫るであろうことは明らかである。