米南部ジョージア州ブルックヘブン市の公園に6月30日、米公有地でカリフォルニア州グレンデール市に次いで2例目となる慰安婦像が設置された。韓国系住民で埋め尽くされた除幕式では、韓国人歌手によるステージが催されたり、慰安婦像の記念Tシャツまで販売されたりするなどお祭りムード一色となった。だが、除幕式からわずか5日後、市は他の大規模公園への移設計画を発表した。韓国系団体が持ち込んだ像設置をめぐり、市のドタバタ劇が続いている。(※7月12日にアップされた記事を再掲載しています)(ニューヨーク支局長 上塚真由)
「スリー、ツー、ワン!」。30日の除幕式。プログラムの最後、ブルックヘブン市のジョン・アーンスト市長、韓国系団体の関係者らが黄色い布を取り払い、「慰安婦像」を披露すると大歓声がわき起こった。
感動のあまり涙を流す韓国系住民の姿も。大雨が降る中、記念撮影しようとする人が後を絶たなかった。
除幕式では、慰安婦像をブルックヘブン市に寄贈したジョージア州アトランタの韓国系団体の幹部が、「われわれは政治的利益によって動いているのではない」と強調。また「これは韓国だけの問題ではない。(日本による)犠牲者は韓国だけでなく、中国、台湾、フィリピン、インドネシアなど少なくとも13カ国に上る」と持論を展開した。
州都アトランタの日本総領事館は、この日までに同市関係者に慰安婦問題に対する日本政府の立場を再三伝えてきたが、聞き入れられることはなかった。