Like a drifting cloud

今日、車を売った。

買取の会社に電話をし、とりあえず査定をしてもらうことにした。

買取屋がやってきた。
パジェミをチェックした。
「本当は値がつかないくらいですけど、3万円で」
と言い、
「早い方がいいんですよね。え？来週ですか？うーん。できればもっと早い方が・・・」

そして、その数時間後にまたやってきて、パジェミを連れて行ってしまった。
ていうか、自分でそう依頼したんだけど・・・。

あまりにあっけなくて、あっという間に目の前で子供をさらわれてしまった母親のよう。

去っていく後姿が、あきらかに「私のもの」で、なぜ目の前から消えていくのか
しばらく理解できない気持ちだった。

呆然としてしまって、現実のことだとは今でも実感がない。


だけど、悲しみ出したら底なし沼にはまりそうだったので、
気を取り直して自転車を買いに行った。

悲しくても生きてかなきゃいけない。ロヂャースに米だの野菜だの買いに行かなくちゃいけない。

買い物にも行けて、たまに少し遠くの公園まで走っていけるような、そんな自転車がいい。

最初は無印のを買うつもりだったんだけど、調べてみるとどうもよくないらしい。
やっぱり自転車は自転車屋で買わないと。

そして、うちから徒歩10分程のところにある大きな自転車屋に行き、
そこの自転車屋チェーンオリジナルの街乗り自転車を買った。

ちょっとスポーツっぽい外観で、ちゃんと前カゴも泥除けもライトも鍵も元から付いてる。
それと、ちょっとおばちゃんぽいけど、カゴ用のカバーも買った。
これでカゴの中が汚れないし、フタをすればひったくりにも遭わない。

それにしても自転車なんて何年ぶりって感じ。
車に乗るようになってから、自転車に乗るのが怖くてしかたない。
車を運転してる時の自転車がとても怖かったのだ。
「危ないなぁ。轢いちゃうよ」ってことがよくあった。
だから、自転車に乗ってると車にひかれそうで怖いのだ。
それに、このスピード感も久し振りで怖い。
段差での衝撃も怖い。
狭い道でのすれ違いが怖い。

徒歩10分の自転車屋からの帰り道で、かなり精神力を消耗した。

先が思いやられる、私の自転車生活。