女王国の城
やっとのことで図書館の順番が巡り、去年の夏に出た有栖川有栖の「女王国の城」を読めた。これは、主人公(というか語り部?)のアリスが学生の、いわゆる”少年アリス”シリーズの4作目で、前作の3作目から実に15年ぶり!この作家に出会うのが遅くて本当によかったと思う。私の場合、3作目を読んでから、約5年で次が読めたんだから・・・。15年なんて待ちきれないもん。今までのシリーズを裏切らない冒険もので、やっぱりこの人の本を読むたび、「ああ、自分にもこんなことが起こらないものだろうか」と、ジュブナイルを読む少年のように思ってしまう。こんな「冒険×ミステリ」という小説が大好き。しかもこの人の場合、ちょっぴりユーモアも入っているし、何より文章が上手なので完璧。私の苦手な関西弁も、一人称の文体も、克服できてしまうから不思議。だけど、少年アリスシリーズは予定では5作で完結予定なので、あと1作ということ。アリスの仲間たちも着実に大学4回生になり、就活に入り、完結への歩みを進めている。作家アリスシリーズももちろん好きだけど、学生たちがわいわい言いながら冒険に繰り出すのが読んでいて楽しかったので、やっぱりガッカリだな~。