本当のリセット[RESET PART III]
そこにいたのは、まるで過去からやってきた若き男。あの蠍組で若き涌井の中にいた、姿を見せる事のなかったMだ。仁美は、異次元で見たMを比較したがどう考えても若い。仁美:「し、信じられない、けど、面影はまさにあの、M、よねぇ?!」M:「なんだい、僕を見ているのか、なんかわからないけど、やはり僕は外にいるようだね」自分でもわかっていないこの状況に、仁美は理由はどうであれ、今目の前にMがいる事実はかわらなかった。Mは、普通の男性として、異次元のMと融合した。もうキレッパシではなく、100パーセントで仁美と共に愛を育むのだ。これが、Xによる最高で最後のパワーであり、行き届いた気持ちがこの2人にまでたどり着いたのだ。もちろん、この事がXの技だとは、ずっと後でわかることになる。Xの伝説として。やがて、涌井は新しい家族が出来、仁美はMと共に人生を歩み出した。さて、彩香は?卒業後も憧れだった音楽大学に入学しながらも、OBである弘美達がいるクレープ屋にわざわざ通い続けた。異次元の派遣としてMの裏方的存在だったiは、Xの効力が届いたのか、強く思いこがれた彩香達の母校である高校の教師となった。-----------------------------------------------------------------------------------------人はこう説明するだろう。「自分自身をリセットすれば叶う」と。その意味は、自らの体は朽ち果てても、心だけは必要な所へ行き渡る。そう、自分自身の体が無くなっても、思いさえ込めていれば、助けたい者、幸せにしたい者の心とリンクするというのだ。リセットしたい気持ちが自分自身にあるのなら、それでもいい。生まれ変わる気持ちで生きていけばよいのだ。世間よりも、環境よりも、自分自身をリセットする方が重要だ。人生がこううまくいくにはやはり、裏では犠牲になったり、戦いに敗れたりする人生が必ずある。そういう構成が何故出来上がるのか?全体が幸せになることはいけない事なのか?霊となって、見守っているとか言うが、それは、そう思いたい、そう信じたいという、自己暗示に過ぎないのではないか?RESET PART III---Through [THE END]