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理系ママのつれづれ日記

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ぷらぷらごろりん

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2006.01.25
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カテゴリ:カテゴリ未分類
次のような質問があるサイトを見つけた。

「アスベストのような化学的に安定なものでも発ガン性が問題になってます。
最近、新聞などで話題のカーボンナノチューブの安全性はどうなんでしょうか。
微細で化学的に安定な物質とゆうことではアスベストに似ているように思いますが。」


確かに、カーボンナノチューブは微細で先も尖った形状。
しかも、強度は鋼鉄よりも強いと言われているので、心配は当然だ。

毎日:ナノ粒子:気管→肝臓・腎臓へ マウスで確認 国立環境研
というような記事も出ていて、
国立環境研の主任研究員が、
「今後、カーボンナノチューブなどのナノ材料でも実験する必要がある」
とのコメントもある。

昨年の10月末に、JSTの
「2005第2回基礎研究報告会 期待される炭素ファミリー」
というのを聞きに行った。
毎日にもニュースとして載っていたんだけど、今はリンク切れ。
参考:【科学】「安全面の検証を」 "カーボンナノチューブ"生みの親が言及

話していた内容を、せっかくまとめたのに、あい重なるPCのダウンで失って、そのままだった。

少し時間が出来たので、最後の遠藤教授の安全性に関するところだけテープを聞いてテープ起こし。

=====
アメリカでは、クリントン大統領が、ナショナルナノテクイニシアチブの中で
「いい技術を完成してアメリカのイノベーションを実現する技術がナノテクだ」
と定義。国を挙げてサポートしていくとしている。
このなかで大切なのは、ナノテクの環境、健康、安全もしっかりしていくということ。これは21世紀の科学の特徴。やりっぱなしは絶対だめです。
そして、結果的にそういう技術が、生活、経済、雇用、教育、倫理、そして法律にまで影響を及ぼす。
まさにソシオロジー、ナノテク社会学なんですね。
そういうものを考慮した技術開発をすると言っています。
(中略)
遺伝子組み替え作物のように、すばらしい技術の成果にも関わらず、日本では拒否反応が起きていて使えない。そういう二の舞をナノテクではしないようにしなくてはならない。
また、アスベスト問題のようなことは絶対にやらない。
これは、21世紀の材料技術の問題です。
科学者の意見はしっかり尊重していただいて、行政や社会が連携した中で、このテクノロジーを私達の宝として発展させていきましょう。

国家標準局のナノテクパネルのグループ4には毒性、やリスクアセスメントなどがあって、NIOSHがうけもっていて、カーボンナノチューブについても調べだしている。

NIOSH:米国 国立労働安全衛生研究所(National Institute of Occupational Safety and Health,NIOSH)アメリカを代表する労働安全衛生に関する政府の研究機関
参考:
http://www.cdc.gov/niosh/homepage.html
http://www.jicosh.gr.jp/Japanese/homepage/niosh/


一番問題なのは、ナノチューブをあちこちから持ってきて評価したのだけれども、変な鉄だとかニッケルだとか、あまりよくない不純物が入っていて、ナノチューブを評価したんだか、不純物を評価したんだかわからない。
そこで、まず材料標準を作りましょう。それについて安全性を調べていきましょう、ということになっている。
(中略)
ナノテクノロジーは害があるとなると、ちゃんと認識して使っていくということになる。

欧米では、カーボンナノチューブトキシティという雑誌が出ていて、試験管の中で細胞毒性を調べたところ、カーボンナノチューブについては毒性がないという結果。
むしろ、ポリスタイレンののような、生体用の樹脂と似たような、非常に生体適合性があった。
東北大学の佐藤先生が、カップスタイル型のカーボンナノチューブでラットの皮下に入れて評価しているけれども特段目だった危険性はない。
しかし、不純物として入っている鉄なんかは危険性があるかもしれないので、将来調べなくちゃいけないよ、とおっしゃっている。
私達が、ラットを飼って、体重の変化を調べ、ラットの皮下にカーボンナノチューブ(多層)を埋め込んで皮厚層をみた。皮厚層とは、ちょっとしたぐりぐりのようなかたまりで、これは薄いほうがいい。
カーボンナノチューブの場合、非常に薄く、しっかりと中にも細胞湿潤が見られる。ガン組織は出ていない。
それに対してアスベスト(青色)。皮厚も非常に厚くなる。そして、アスベストのまわりの組織が炎症反応を起こし、周りの組織が残っていない。(スライドあり)こんな危険な物質がどうして世の中にあったんだろうと思うくらいだ。中の炎症反応で組織が溶けてしまい、融解という状態になってしまっている。

そして、組織学以外でも体内に入ったものを免疫学で評価した。CD4、CD8
組織学の評価プラス最近では免疫学の評価もして、どんな抗体反応をしているか、拒否反応をしているかを調べる。
血液は全身を回っているので、体の中でどんな影響を及ぼすのか見ることが出来る。
CD4は2週間で少しあがるが、一ヶ月くらいたつとスタンダードなサンプルの塩水をやったのと同じくらいになっている。
CD4とCD8を広げると健全に推移していて、2週間の反応も過激な異物反応ではなくて、生理学者の言葉だけれど、アクセプタブルな反応の範囲。ちょっとした反応はあるけれども徐々にそれは落ち着く。

一方、アスベストは大変なことが起こっていて、細胞が完全に溶けていて、CD4からCD8は2~3が正常なのに、0.2~0.3ということになっている。

皮下と肺の中に入ったものと違うと思うかもしれませんが、基本的には私達の体は全身反応なので、肺の中に入って、肺胞の皮膚に入った時に同じような傾向があるわけです。

単層ナノチューブの場合、チューブの塊が非常に強いようで、普通よりも皮厚の組織が厚く出てくると同時に、チューブががっちりと固まりすぎていて中に細胞が入っていかない。空隙が残っている(スライドあり)反応は白なんだけれども、他の多層チューブに比べて若干過激な方向。

ネズミを死ぬまで調べているが過激な毒性はない。免疫学、組織学的に評価しているが今のところ際立った毒性は無い。
吸入試験もやっているが、吸入の時に期間にチューブがつまって窒息死してしまう場合も多く、本当の毒性がみにくい。
信州大でいいやり方を開発し、気管の中にチューブを入れて推移を見ると、どうもタンになって出て行くケースの方が多そう。

こういうことをベースに逆に実用的に使えるのではないか。。。

=========
ということで、話は生体適合性がいいので、カテーテルなんかにカーボンナノチューブを使うと、血液が中で固まらずに非常にいいものができる、なんていう話が続きました。

まとめる時間がないので、このままで。。。


ニュース記事だけをみると、「差し迫った危険は無さそう」というだけで、不安が残る書き方。
でも、私が聞く範囲では、アスベストと危険性を同様に考えるのは違うと理解しました。


大切なのは、正しく危険性を認識するってことなんだろうな。

あぁさぁさんが引用していた物理学者・寺田寅彦の言葉。
「ものを怖がらなすぎたり、怖がりすぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむつかしい」


というのを思い出す。

日本は、資源の少ない国です。
身近にある炭素で作れるカーボンナノチューブという新素材。
日本には、生みの親や優れた研究者もいるわけですし、このまま世界をリードして研究を進めていって欲しいです。

ナノテクノロジーの社会受容促進に関する調査研究
なんていうのもあり、
ナノテクノロジー国際シンポジウム(2006/2/1)
では、
シンポジウムの内容を見ると、まさに安全性や、社会的側面からの話も語られるようだ。

本当なら是非聞きに行きたいんだけどな。
残念ながら仕事。
後でぐぐったら引っかかってくるかな。

ナノテクを制御するのもまたナノテク。
何かわからないことをやっている。ではなく、
私達一般人にも正しい知識が入るようにしてくれたらと思う。

▼日経ナノテクノロジーPlus:東北大、多層カーボンナノチューブの長さによる細胞毒性の違いを評価

▼日経Teck-on!:「あの話題の新素材」の健康影響に関する調査研究が始まりましたhttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL_LEAF/20050824/107866/







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最終更新日  2006.01.30 15:11:46
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