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カテゴリ:書評 SF関係
ここのところ本を読む時間が
と言うより読む気が無くて.. 何冊もディックの本が積んだままになっていて いつ頃買ったものなのか? 昭和59年の7月発行。定価480円である。 しかし、カバーの裏側には、250円のシールがあり 裏表紙の中には鉛筆で200円と記入されている。 かなりの人の手に渡った代物と思われる。 ヒューゴー賞を1963年に受賞した長編の力作である。 でも日本人とドイツ人にとっては違和感があるのでは? 第二次世界大戦が1947年に終結。..と言う事は? それから15年後の世界を描いている。..が 早い話、戦争に勝利したのは、ドイツと日本。 ドイツの科学力はものすごく進歩して火星や木星にロケットを航行させている。 が、サンフランシスコでは輪タクなるものを中国人が営業している。 ロッキー山脈でドイツ支配区と日本支配区を分けている。 が、ユダヤ人を弾圧し続け<たんぽぽ作戦>を企てようとする。つまりドイツは 日本に攻撃を仕掛けようとするのだ。 しかし、この本の社会の中で奇異なのは、何事につけ占う事だ。 様々な場面であらゆる人々が八卦(はっけ)で出来事の答えを導きだそうとする。 時代劇でうさんくさい易者が「これ、そこのお方。見て進ぜよう。 当たるも八卦当たらぬも八卦。」と言うあれである。 そして、肝心の高い城に住む男とは「いなご身重く横たわる」の作者 ホーソーン・アベンゼン。この作者が、戦争にはアメリカが勝利して ドイツと日本が負けると言う内容の本を出筆。ドイツ支配地域では発禁本である。 主人公は、アメリカ美術工芸品商会を経営するロバート・チルダン。 美術品や骨董品を商い日本人の権力者や商社マンを相手に苦労する。 ディックはかなり日本を研究したんだと思う。ドイツ人(ナチス)に比べて 日本人を良く書いている。清廉潔白だとかブラジルの奥地を開拓して 元首狩族に8階建てのアパートを建ててやっているとか..。 いくつもの糸がより合わされているような複雑なストーリーで ディックの世界が展開されている。ここのところエクスプローラーが不調 やっとの事で写真を入れる事ができた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.26 18:34:00
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