697169 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

未音亭日記

未音亭日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

未音亭

未音亭

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

 未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
 tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
 tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
 未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) Todorokiさんへ コメントありがとうござい…

フリーページ

ニューストピックス

2016年09月18日
XML
カテゴリ:音楽
先週は仕事(学会)で金沢へ。昨年春に開業した北陸新幹線に初めて乗れるとあって、「鉄ちゃん」ではない亭主としても久しぶりにワクワク。それまで関東からはとても行くのが面倒だった金沢まで、「かがやき」に乗ると乗り換えなしの2時間半で到着。確かに便利になりました。とはいえ、20年ぶりに降り立った金沢駅は、昔の記憶を辿る縁を見つけることが出来ないほどガラリと様子が変わってしまいました。最終目的地である金沢大学も、以前は兼六園近くの金沢城址にあったものが、今ではバスで30分以上かかる郊外の山あいに移転しており相当に不便でしたが、広い敷地とのトレードオフとして致し方ないところなのでしょう。



ところで、このひと月余りの間に表題の曲(とその原曲であるフルートソナタOp.2-5、HWV378)がFM放送で3回もオンエアされました。その最初はお盆に放送された西村朗・羽田美智子の対談風トークによる「あなたの知らない作曲家の素顔」と題された番組中のこと。

この作品、鈴木のヴァイオリン教本にも採り上げられるほど有名な作品で、亭主にとっても馴染みの曲のハズでしたが、ヒロ・クロサキとウィリアム・クリスティのデュオによる演奏はとても新鮮で、胸に響くものでした。



その次はやはり8月の下旬、大塚直也さんの司会による「古楽の楽しみ」の特番で、フラウト・トラベルソの演奏家である中村忠さんを迎えての回でのこと。そこではこのソナタが、もともとはフルートのための作品としてヘンデルのイタリア修行時代(1707年頃)に作曲され、冒頭の楽章はその後もホ短調のフルートソナタやオペラ「アレッサンドロ」(1726年)の序曲にも使われた、という興味深いエピソードも紹介されました。(ちなみにホ短調のフルートソナタとしては3曲ほど知られているようですが、HWV379でほぼそのまま出てきます。)

そして3回目は、なぜかやはり大塚直也さんによる「古楽の楽しみ:リクエストアワー」の回(9月9日)で取り上げられたアンドルー・マンゼとリチャード・エガーによる演奏で、この時は第1楽章Affettuosoの冒頭、レ-ファ#-ラ-ミ〜(ニ長調)で始まる旋律に不意を突かれた感じで、不覚にも涙腺が緩みそうになりました。



こうなってくると、手元にCDの一枚も欲しくなるのは人情です。ネットで調べてみると、寺神戸亮による録音が簡単に手に入ることがわかり早速ゲット。一聴したところ、ハープシコードをクリストフ・ルセ、チェロ(通奏低音)を鈴木秀美が務める演奏はとても素晴らしいものでしたが、最初のきっかけになったヒロ・クロサキの演奏に比べると何か物足りない感じもします。



そこで、後者の演奏をもう一度ネット上のサンプルで聴いてみたところ、ヴァイオリンとハープシコードの音量バランスが全く違うことに気づきました。寺神戸亮の演奏では、ハープシコードの音がほぼ完全に背景に退いてしまっていて、2つの弦楽器で音楽のほとんどを構成しているのに比べ、クロサキ-クリスティのそれはヴァイオリンとハープシコードがほぼ対等に響き(チェロ等による通奏低音もなく)、近代のヴァイオリンソナタのようにとても緊張感のある演奏に聴こえます。譜面を眺めると、ハープシコードのパートもヴァイオリンのそれに劣らず充実しており、これが聞こえるかどうかは曲の印象を大きく左右することが容易に想像できます。というわけで、改めて(中古CDが充実している米国アマゾンで)ヒロ・クロサキのCDを手に入れることに。

「あなたの知らない作曲家の素顔」の中で、西村さんはこのヴァイオリンソナタを「幸福な時代のヘンデルがよく表れている傑作」と紹介していましたが、こうしてじっくり聞いてみるといかにもと頷けるところです。作品自体はヘンデルが栄光も挫折も味わい尽くした後であろう晩年(1749/50頃)に成立したようですが、彼が二十歳そこそこのイタリア時代から生涯にわたり忘れなかった旋律を、晩年になって最高傑作のひとつへと昇華させた、ということでしょうか。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年09月18日 21時50分42秒
コメント(0) | コメントを書く
[音楽] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.