日本の山崎選手の7位入賞でも話題になった、
オリンピックの男子50km競歩で、
金メダルを取ったイタリア人選手Alex Schwazerくんが、
フィールドでイタリア国旗を振りかざしつつ号泣していました。
感動です。
しかし口を開けばビミョーな発音のイタリア語、
お名前もイタリアっぽくないです。
そうです、彼はドイツ語圏ボルツァーノ出身の人なのです。
島国そしてほぼ単一民族日本で生まれ育っていますから、
えっ?この人本当にイタリア代表という自覚があるのかしら?と
ついつい思ってしまうのですが、
それは世間を知らぬ人間の考えること。
やはり彼はイタリア人なのです。 日本代表のスポーツ選手の中にも帰化した人は最近では多くなっていますが、
ヨーロッパのように陸続きで歴史的に国境が変化してきた国々にとっては
いつだって当然のことなのですね。
いまだにわたし、慣れません。
ちなみにこのアレックス・シュバーツァーくん、
わたし好みのいい男なんですが、なんと残念ながら(?)
イタリアの銀盤の女王カロリーナ・コストナーちゃんの彼氏なんですよぉ。
ちなみにカロリーナもボルツァーノ出身でドイツ語圏の方です。
日本を離れてみてよかったと思うことの一つに、
世界を知ることができた、ということが挙げられます。
あのまま学校の教室の中で世界史を何年も教えていたとしても
つかめなかったであろうことを、
漠然とではありますが、理解できているような気がするのです。
わたしの職場で働いている人は多国籍、
イタリア人はもちろんですが、
ルーマニア人、クロアチア人、ポーランド人、ウクライナ人、
数え切れないほどの国の数です。
オリンピックでは彼らの国の勝敗も気にします。
試合が日本と当たったりすれば、お互いの応援に燃えます。
自分が旅行をした国が出場していれば、
それもついつい見てしまいます。
ホテルで働いていますから、
世界中から来るお客さんの国籍もいろいろです。
今のわたしにとっては、
日本にいたときとは比べものにならないほど
たくさんの外国が身近となりました。
オリンピックという世界に出て、
いろいろな国の人たちと戦っている日本人選手たちは、
そんな思いをずっとしてきたのだと思います。
そしてやっぱり日本の活躍はわたしの誇り、
まったくテレビ放映されなかったソフトボールの金メダルは、
みんなに自慢しました。
イタリアの新聞では、
次回のロンドン五輪から種目がなくなることに抗議の意味を込めて
球場に残した選手たちの靴の写真が掲載されていました。
これは日本では報道されなかったようです。
それからイタリアでも人気で、終始放映されたシンクロナイズドスイミング、
陸上400メートルリレー、フェンシングの太田選手、
競泳の北島選手、日本のみんなの活躍は、
わたしのまわりの人たちにとっても、
まだ見たことのない世界の一部の
大きな新たな発見だったことと思うのです。