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2009年02月06日
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テーマ:鉄道雑談(1511)
カテゴリ:鉄道
鉄道というのは、「2本のレールの上に乗っかった車輪が
転がることによって人や物を移動させる乗り物である」、
ということは誰もが知っていることです。

ところでこの2本のレールの幅、
専門的にはゲージ(軌間)と言うのですが、
これにはいくつかの種類があります。

日本では代表的な2種類に分類されます。
すなわち、
一つが新幹線や一部の私鉄等に採用されている1435ミリ幅、
もう一つがJR在来線等広く一般に採用されている1067ミリ幅。

他にもいくつかの例外があるのですが、
大抵の日本国内の鉄道は上の2種類のゲージに集約されます。

日本の代表的なゲージ

前者の1435ミリ幅を「標準軌」(スタンダード・ゲージ)と言い、
後者の1067ミリ幅を「狭軌」(ナロー・ゲージ)と言います。

「標準軌」はその名のごとく、
ワールドワイドでスタンダードな線路幅であり、
鉄道発祥の国であるイギリスをはじめ欧州のほぼ全域、
米国、豪州、中国、韓国等で一般的に採用されている線路幅です。

片や「狭軌」。
実は日本ではこちらの線路幅の方が大勢を占めています。
JR在来線のほとんどと、関東の大手私鉄の半分はこの規格。
関西でも南海と一部の近鉄線がやはり狭軌。
つまり日本では「狭軌」が「標準」なのです。

日本では当たり前の狭軌ですが、世界的に見ると、
台湾とタイ、サハリンの一部ぐらいしか思いつきません。
そしていずれも日本統治時代に敷かれた鉄道なので、
「狭軌」は日本だけがひとり気を吐いているゲージに他ありません。

なぜこうなったのか?

歴史をひもとけば、それは明治維新に
日本で初めて鉄道が開業した時代までさかのぼります。

東京-横浜間に鉄道を建設するにあたり、
日本国内には鉄道に関する土木技術など皆無でしたので、
当時の鉄道先進国であるイギリスに協力を求め、
彼の地から技師が来日しました。

線路幅もイギリス人技師が決めたのです。

本国イギリスは標準軌なのに、なぜ日本では狭軌と決めたのか。

これには諸説ありまして、
1)日本は国土が狭いから、線路幅の短い狭軌の方が用地も少なくて済む
2)線路幅が狭い故に、資材購入費が安くつく
3)標準軌より狭軌の方が輸送力は劣るから、
 軍事輸送にハンデを負わせることができる
 (明治維新の頃から、イギリスは既に日本を脅威に思い始めていた?)
のいずれかか、複合的な事情だろう、ということです。

ただ、線路幅が40センチ違うというだけで
ハンデが大きいのは確かなことのようで、
足元の安定性が悪くなることから
スピードアップを阻む要因になっているのは事実。

スピードアップできない、
ということは輸送力が伸びないわけで、
鉄道としての生命線がまっとうできません。

なので、明治から大正にかけて、
線路幅を標準軌に広げるプランも検討されました。
しかしその頃になると既に全国に鉄道が敷かれており、
工事費用や工事中の運転ストップなどのデメリットを考慮すると、
改軌工事に踏み出せず、結局は何もしないまま今に至っています。

ただし新幹線は、
在来線とはまったく異なるシステムを白紙状態から決めていったので、
最初から標準軌で建設されました。

そういうわけで、
鉄道先進国でありながら線路幅の狭い狭軌に甘んじている
日本の鉄道。
歴史に「if」は禁物ですが、あえて言わせてもらえるなら、
もし大正時代に線路幅を広げるプロジェクトが完遂されていたならば、
日本の鉄道はどうなっていたか?

もっとスピードアップが図れ、
もっと利便性が高まっていたに違いありません。

たとえば在来線も新幹線も同じ標準軌だとすると、
新宿発天王寺行きの「のぞみ」もありえるはず。
現実は新宿から天王寺まで行くには、
線路の幅が違うので、列車が乗り入れることができず、
同じJRでありながら2~3回の乗り換えが必要です。

「2~3回の乗り換え」と「乗り換えなし」。
わずか数分の違いかもしれませんが、
体感的にはかなりの時間短縮を感じるはず。

となると、日本全体の生産性が上がり、
産業はもっと発展していたのかもしれません。

さてちなみに、「新幹線を在来線に通す」
というプランは一部で実現しています。
「山形新幹線・つばさ」と「秋田新幹線・こまち」。
双方とも、東北新幹線の福島あるいは盛岡から分岐するのですが、
線路はもともとJR在来線だった線路を狭軌から標準軌に改軌したもの。





在来線は今までどおりのスピードしか出ませんが、
東京から乗り換えをせずに山形や秋田まで行けるということで、
飛行機の利用者もみんな新幹線利用に移行し、
羽田-山形・秋田間の航空便が減便するくらいの効果がありました。

そして今、「デュアル・ゲージ・トレイン」という列車が研究開発中。
これは、標準軌←→狭軌と、
列車側の車輪幅を自由自在に変換できるというスグレモノ。
これだとJR在来線の線路を敷き直す必要もなく、
自由に新幹線に乗り入れができることとなります。
今、博多から長崎をめざす新幹線での採用が有力。

電車はモーターがある絡みから、
走りながら軌間を自由に変更できる車両は
技術的にチョー難しいんだそうです。
それをやり遂げるんですから、
日本の鉄道技術は世界一、と言われるゆえんです。

逆に言うと、はるか昔に狭軌を選択したからこそ、
こういう先進技術が生まれたんですね。
狭軌というハンデも、それはそれで良い効果を生むわけで…。






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最終更新日  2009年02月06日 20時47分20秒
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Re:もし日本の線路が○○だったら…?(02/06)   芹香serika さん
なんと線路の幅が 新幹線と従来のが違うという事は知ってました
まさやんのように詳しくは知りませんでしたが
ここに書かれてるような事を 聞いたと思います
(2009年02月07日 21時22分15秒)

芹香serikaさんへ   まさやん0386 さん
>なんと線路の幅が 新幹線と従来のが違うという事は知ってました
>まさやんのように詳しくは知りませんでしたが
>ここに書かれてるような事を 聞いたと思います

タラタラと書き連ねた長い文章をお読みいただきありがとうございます!

そういえば高松でもJRは1067ミリ(狭軌)で「コトデン」は1435ミリ(標準軌)と、2種類存在しています。
(2009年02月08日 09時05分57秒)

Re:もし日本の線路が○○だったら…?(02/06)   たかたか さん
おのれイギリスめが!(笑)
在来線も標準軌だったらもっと活躍できただろうに。 (2019年11月08日 21時57分51秒)

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