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2011年07月25日
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カテゴリ:鉄道
「やっぱり」というか「とうとう」というか。
中国の高速鉄道でとんでもない事故が起こりました。


(読売新聞より)

落雷が原因で停車していた列車に、
後から進行してきた高速列車が追突。
追突した列車のうち前4両が脱線し、
うち3両は高架下に落下、残り1両は高架から宙づりになったものです。

列車はほぼ満席だったそうで、
その割にはこれだけの惨事で死者数は30数名程度で済んだわけですが、
ニュース映像で見る限り、脱線転覆した車両は寝台車でしたので、
それが功を奏したのかもしれません。
座席車だったら犠牲者はもっと大変な数に上っていたでしょう。

事故の詳しい原因は発表されていませんが、
鉄道ファン的視点から探ると、
「車両」「信号保安設備」「システム運用」の3点に
問題があったように思います。

まず「車両」。
そもそも簡単に車両に落雷すること自体ヘンです。

車両に落雷すると、一瞬のうちに大容量の過電流が流れるため、
電気系統に再起不能となるダメージを受けます。
高価な鉄道車両が一瞬でおシャカになるわけです。
日本の鉄道車両では、そんなもったいないことにならないように
「避雷器」なるものが取り付けられていて保全を図っています。

今回、落雷で止まっていたという先行列車の車両には、
そういう対策が施されていなかったのでしょうか。

次に「信号保安設備」。
落雷で止まっていた先行列車に追突するということは、
追突した列車の運転士は目視の範囲に入って初めて
先行列車に気づいたことをうかがわせます。

日本の新幹線の事例では、時速300km/hで走っているときに
急ブレーキをかけても完全停止するまで2kmは走るんだそうです。

今回の事故でも、先行列車が止まっていることを
目視でやっと確認できたとすると、
その瞬間、急ブレーキをかけたとしても
到底、衝突を回避することは叶わなかったことでしょう。

そんなことにならないように、先行区間で列車が在線しているときは、
後ろの列車は同じ区間に入ることのないよう、
人の目視に頼らずに、さまざまな保安システムで
自動コントロールされる仕組みとなっているはずです。

ところが今回の事故はそれがうまく作動しなかったことになり、
信号保安設備の根本的な配線ミスやプログラムミスが考えられます。
これらは開業前に繰り返し試運転を行って走り込みをして
問題を解決すべきであり、
そこに「まず開業ありき」の邪念があったとしたら、
きちんと検証されないまま営業開始していた疑いがあります。

最後に「システム運用」。
中国の高速鉄道は、運転指令の管轄が
どうも列車ごとに分けられているようであり、
1つの統合体がすべての列車をコントロールしているわけではなさそうです。

列車ごとに管轄を分けた運用だと、
「自分の担当する列車だけ満足に走ればそれでよい」
という人間の心理が働き、自列車だけの正常運行をめざすあまり、
矛盾した状況を他の列車に押しつけてしまう懸念が生じます。

こうなると、すべてのオペレーションがチグハグになっていき、
どこかでミスが生じる確率が一気に高まります。
時速300km/hの列車は、1分間で5kmも進みます。
1秒間だと80メートル強。
数分のオペレーションの遅れが、
とんでもない惨事を引き起こしてもおかしくはありません。

同じエリアを走るすべての列車は、1つの組織が管轄すべき。
日本では当然のことなのですが……。

今回、追突された先行列車は、本来のダイヤでは
追突した列車の後を走ることになっているそうです。
どうして出発が逆転したのかはわかりませんが、
僕はシステム運用のつたなさや甘さが露呈したのではないか、
と勘ぐっています。

先日、北京-上海間の高速鉄道が開業した折、中国の鉄道首脳部は
「日本や欧米からの移転技術を元に、我々の独自技術で作り上げた。
もはやわが国の高速鉄道はわが国固有の技術である」
と豪語していましたが、
決して技術を自国のものに昇華していない実態が
今回の事故を通じて明らかになったと思っています。

日本では、最初の鉄道である新橋・横浜間鉄道が開業してから、
東海道新幹線が開業するまで約90年かかっています。
最初の鉄道はイギリスの技術が導入されましたが、
そこから日本の風土に合わせて技術を昇華、
そして新幹線という高速鉄道を独自に開発しているわけで、
そこには一世紀近い期間がかかっている。

さらに新幹線技術の中には、戦時中の零戦の設計ポリシーといった
航空技術も盛り込まれているんです。
そこまでしてようやく高速鉄道の技術をモノにできるわけで、
わずか数年で他国の技術を自分たちの風土に合わせて昇華するのは
かなり困難なはず。

そういうわけで今回の事故、僕は起こるべくして起こった、
というように思います。
日本の新幹線でこういう事故はまず起こりにくいんですがね。
なぜか、ということは明日また書こうと思います。

しかし、日本もこの事故を決して対岸の火事にしてはならず、
日本の高速鉄道システムの安全にさらに磨きをかけるため、
この事故の教訓をフィードバックする必要があるとは思います。






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最終更新日  2011年07月25日 11時44分25秒
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