2457324 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

こんぱすコーチの全方位日記

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

カレンダー

カテゴリ

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2011年08月02日
XML
カテゴリ:鉄道
先週で終わりにしたはずの、まさかの新幹線テーマです(^_^;
先週はさんざん中国高速鉄道のずさんさを強調しましたが、
今日は日本の新幹線も過去はさんざんだったんですよ、
という内容を書こうと思います。

中国の一部メディアでも日本の新幹線の安全性を紹介しているそうです。
曰く開業後約50年、未だ乗客死亡事故ゼロの記録を更新中という事実は、
彼の国においても驚嘆すべき話のようです。

しかし日本の新幹線の「裏の歴史」も覚えている僕としては、
若干、複雑な心境です。

舞台は東海道新幹線。昭和50年代前半のころです。
当時、小・中学生だった僕は、毎日のように報道される
「新幹線、今日もトラブルで大幅遅れ」というニュースに
他人事ながらウンザリしていた記憶があります。

開業して10年ほど経った東海道新幹線は、
すっかり東京-大阪間の輸送の主役に君臨し、
既に1日数百本の列車が運行されていました。
折しも空前の石油ショックで省エネが叫ばれていた時代。
新幹線は車や飛行機に比べてエネルギー効率が格段に高いとされ、
利用率の高さに拍車がかかっていたのです。

ところが1日に何百本もの列車が高速で通過するとなると、
線路施設の耐用に想定以上の力がかかる。

ポイント故障、信号故障、架線切れ、砂利をまきあげての窓ガラス破損……。
トラブルの原因は枚挙にいとまがありませんが、
とにかく連日のようにトラブルが起き出したのです。

僕の記憶が正しければ、
10日間連続で新幹線が運行ストップしたときが
本当にありました。

当時は大赤字に悩む国鉄の末期です。
労使の関係も最悪で、春闘以外でもストライキを起こす始末。
毎年のように運賃を値上げするため、利用客もマイカーやバスに転向し、
ジリジリと列車の利用者数も減っていってました。

職員のモチベーションもすっかりすたれてしまい、
在来線では、
喫煙しながら運転したり、
果ては飲酒運転で大事故を起こしたり、
切符売り場の窓口職員がメチャクチャぶっきらぼうだったりと、
さんざん叩かれていた時代でした。
新幹線も例外ではなく、職員の怠慢でポイント切り替えをミスり、
車庫から本線に出庫しようとした回送列車が脱線、
他の列車が車庫から出られなくなり、
ほぼ1日運行できなくなるという事故がありました。

「国鉄はたるんでいる!」

一般市民は国鉄の傍若無人な振る舞いに呆れ、怒り、
国鉄ならぬ『酷鉄』と揶揄され、
そしてその上、天文学的な累積赤字。
国として大きなお荷物となっていたんです。
今にしてみれば、この実態が後の分割民営化の後押しをしたのです。

さて新幹線の話に戻りますが、
連日のようにトラブルを繰り返す新幹線を見かねた当時の運輸省が、
「このまま対症療法的な対応では、
そのうち人命に関わる大事故を誘発しかねない。
抜本的な対策をとりなさい」
と国鉄に詰め寄りました。

そこで出たのが「半日運休」「若返り工事」という施策です。

ふだん、線路施設のメンテナンスは列車の走らない夜中に行うのですが、
前日の最終列車がターミナルに着いてから
翌日の始発列車が発車するまでの間は、
わずか6時間弱しかありません。
事前の準備作業を考慮すると、実質的には5時間ほどしかない。
そんな短時間ではメンテナンスするにも限度があります。

そこで午前中の運行を取りやめることで保守時間を3倍に増やし、
徹底的に施設をリフォームすることになったわけです。

ところが東京-新大阪間は500km。
1度や2度のメンテナンスでリフォームが完了するはずはありません。
記録を見ると、1976年から1982年まで6年間にわたり、
合計44回の半日運休が繰り返されていました。

お盆、年末年始、ゴールデンウイーク、秋の行楽時期を除き、
しかも1週間のうちで人の動きの少ない水曜日・木曜日を選んでの
工事日選択だったので、これだけの期間を要したのでしょう。

工事日選択に慎重ではあったものの、
しかし日本の大動脈が半日ストップするのは大層なできごとです。
ところが、さほど大きな混乱にはならなかった記憶があります。
飛行機や高速バスが大幅に増便され、
近鉄は名古屋と大阪の間に臨時特急をたくさん走らせ、
代替輸送機関が行き届いていたのでしょう。

そういうわけで昭和50年代は、
新幹線にとってはどん底の時代でした。
しかしそのどん底時代に、マスコミや市民から叩かれながらも、
粛々と若返り工事を行った結果、
施設はほぼ新品同様に生まれ変わって、
ハードウェアの老朽化が原因のトラブルはほぼゼロになりました。

その後、国鉄が分割民営化されJRに移行。

数々の営業施策や安全運行への投資など、
前向きな取り組みが行われ、空前のバブル景気にも助けられて
いつしか昭和50年代のどん底時代は昔語りになり、
今に至っています。

こうしてみてくると日本の新幹線の歩みは
決して順風満帆ではありませんでした。
中国の鉄道も今は受難のときですが、
この事態を真摯に受け止め、前向きな施策を繰り出していけば、
きっとそのうち安全で快適な輸送手段として
見直されるときが来ると思います。

【送料無料】鉄道歴史読本

【送料無料】鉄道歴史読本
価格:840円(税込、送料別)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年08月02日 08時25分38秒
コメント(4) | コメントを書く
[鉄道] カテゴリの最新記事


フリーページ

お気に入りブログ

肌寒い中でのトマト… あくびむすめ6417さん

takaakパパのDIY… takaakさん
ねこまた徒然草 nekomata1963さん
コシヒカリコーチN… コシヒカリコーチさん
ゆめびより ゆめこう… ゆめこうぼう 桜餅さん
モンドの親子未来塾… モンド父さん
Twitterでは呟ききれ… アンビンバンコさん
鳥取・島根で田舎暮… 夢家工房さん
モールスキンとめぐ… 日曜日の羊さん
頑張れ!PTママ!… 四葉2014さん

コメント新着

タウンライフアフィリエイト運営事務局@ タウンライフアフィリエイト運営事務局でございます 平素は大変お世話になっております。 タウ…
丘Bar(おかば~る)@ Re:『マッサン』最終回(03/28) 晩酌。という語がずっと頭について離れな…
丘Bar(おかば~る)@ Re:『マッサン』最終回(03/28) 晩酌。という語がずっと頭について離れな…
たかたか@ Re:もし日本の線路が○○だったら…?(02/06) おのれイギリスめが!(笑) 在来線も標準軌…
lr4 @ Re:チョー怖い駅(12/06) 電車でDというゲームでもキャラがホームの…

ニューストピックス


© Rakuten Group, Inc.