こんぱすコーチの全方位日記

今日の日経平均株価は、
5年前のリーマン・ショック前の水準にまで
値を上げました。

このところ、いわゆるアベノミクス効果で
景気が回復基調にあり、
雇用環境も少し上向きになっているようです。

これもちょうど5年前ですが、
リーマン・ショックによる不況で
各企業に派遣会社から派遣されている人たちが相次いで、
契約を更新されない、いわゆる『派遣切り』に遭い、
不況の象徴になって久しい期間が続きました。

僕の勤務先も、以前は長期の派遣社員を雇用していましたが、
経費がけっこうバカにならないので、
不要不急の仕事を整理し、
現在、派遣社員の雇用は、
一時的に業務が膨らむ繁忙期のみにとどめています。

今がちょうどその繁忙に当たる時期で、
20数名の派遣社員を期間限定で雇用しています。

ところで、昨年までの不況下で、
では世間的に派遣社員のニーズはまったくなかったのか、
というと決してそうではなく、
やはり企業は繁簡の差をやりくりするために、
「非正規雇用」従事者の存在は貴重な人材と考えています。

ですから『派遣切り』も、一律に切られたわけではなく、
「切られるべき人は切ったけど、
ぜひとも引き続き働いて欲しい人は継続している」
という選択をしている企業もあるはずです。

結局、世の中の景気動向に関わらず、
「雇用したい人」「雇用したくない人」
が、それぞれ存在しているのです。

「雇用したい人」は、やはり自己の強みをうまく発揮し、
まじめで勤怠状況も良好、という人に集約されます。
逆に、社員の指示に生返事で対応し、
自分勝手で勤務状況も良くない人間は、
やっぱりどこの派遣先企業でも煙たがられます。

今繁忙期の派遣社員雇用に際して、
こんなことがありました。
僕の勤務先で雇用する派遣社員には、
それなりの専門的なスキルを要することから、
一見さんよりも、やっぱりリピーターを重視します。
そのほうが立ち上がりが早く、効果的だからです。

その中で、毎年この時期に雇い入れる女性がいるのですが、
彼女は、とても従順で、臨機応変に
こちらのリクエストに応じてくれますし、
仕事も速く、間違いも少ない。社員との人間関係も悪くない。

もう毎年雇いたい人なんですね。

で、今年はいつもより早く忙しい時期が始まったため、
前倒しで早めに来てもらおう、と派遣会社に連絡を取ったところ、
その時点では別の企業に派遣中で、
結局1週間遅れでこちらに来てくれることになりました。

やはり、わが勤務先にとって欲しい人材は、
どこの企業でも欲しい人材なわけです。


逆に、こちらも去年、僕の勤務先を経験した男性。
彼はそこそこスキルはあるものの、
一匹狼的なところがあり、
作業ルールを守らずにすべて我流でやる。
勢い、仕上がったものが本来期待するものと
異なることしばしば。
指導役に就けた女性社員がそのことを注意すると逆上し、
アグレッシブな対応を受けた女性社員が
さめざめと泣き崩れる、
という事件が起きてしまいました。

それが昨年の話。

で、今回の派遣社員募集にも手を挙げてきたのですが、
せっかくのところ、ご遠慮いただきました。

勤務先で雇う派遣社員の職種は斜陽化の一途にあり、
ただでさえ集めにくいのです。
ですから手を上げた人全員を無条件で雇用しても
理屈上ではおかしくないのですが、
しかし敢えてその彼を雇用することはしませんでした。

このように考えると、
世の中の好不況と派遣社員お雇用動向は、
決して比例しているわけではありません。

要は「自分はどういう人間か」ということなんです。
「自分」というブランドは価値があるのかどうか。
結局、最後はそこで忖度されるんです。

「自分ブランド」。
自分にも当てはめてもう一度考えてみようと思います。

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