『オルセー美術館展 ― 19世紀 芸術家たちの楽園』
桜の花が咲き始めた上野。。の東京都美術館にて開催中の 『オルセー美術館展 ― 19世紀 芸術家たちの楽園』へ。世界屈指の印象派コレクションで有名なオルセー美術館。1986年の開館以来、セーヌ河をはさんで対岸に位置するルーヴル美術館に負けず劣らず、高い人気を誇っています。以前、1996年に やはり東京都美術館で「オルセー美術館展」が開催され、母と一緒に観に行ったのを覚えています。 当時まだ高校3年生でしたが、印象派の絵が大好きで 混雑した会場内で、絵とキャプションに釘付けになっていました。 学生時代には、念願かなってParisのオルセー美術館へ足を運んだ思い出もあります。あれから。。。11年。 今でもオルセー展は大人気のようです。上野駅公園口から美術館の入口までずっと人が多かったです。(お隣の東京国立博物館で始まったばかりのダ・ヴィンチ展よりも、 明らかに盛り上がりを見せていました。)それにしても、みんなよく来るな~。(って..私もだよ。笑) ☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆今回私がいろいろ見た中で、「これが最高に好きだ・・・☆」と思った作品。それは。。。“光の画家”クロード・モネ(Claude Monet, 1840-1926)の 『ルーアン大聖堂』(1893)です!(よくありがちな感想だったらゴメンナサイ。でも本当に素晴らしかった!)モネは大聖堂という一つのモチーフを繰り返し描く中で、その周りを包み込む光と空気を色彩によっていかに表現するかを試みました。晴れた日の爽やかな空のブルーと、光が差す大聖堂のホワイトゴールドが生み出す美しい調和と全体の圧倒的な迫力が、見る者の心を強く打つのです。厳かさと同時に幸福感を感じました。ずっと絵の前に佇んでいたかった!是非いつか。。。ルーアンを訪れたいです♪ ☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆今回のオルセー展では、芸術家たちの拠りどころとなった理想の世界---楽園---をテーマに、5つのカテゴリーに別にたくさんの作品が展示されています。1.<親密な時間>画家達はそれぞれの手法で家族や親しい人を描いています。わたしの大好きな印象派女流画家、ベルト・モリゾ(Berthe Morisot, 1841-1895)の絵がここにお目見えです!!『ゆりかご』(1872)は、ベルトのお姉さんであるエドマ・ポンティヨンと彼女の生まれてすぐの幼子が、優しいタッチで描かれた魅力あふれる作品。この親密で平和に満ちた空気感を表現できるのは、女性の腕ならではかなぁ。。なんて思います。2.<特別な場所>時には、人との交わりにも増して強い影響を与える土地とその記憶。ここに(先述した)“Cathedrale de Rouen (ルーアン大聖堂)”が飾られています。何度となく目にしているはずの作品なのに初めてのような気がしたのは。。。「命」。が吹き込まれている所以でしょうか。。。?3.<はるか彼方へ>19世紀の画家達は、遠い国を夢見て時空を旅しました。事前に観に行った知人数名から、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh, 1853-1890)の代表作である『アルルのゴッホの寝室』(1889)がとても良いと聞いていたので、これも楽しみだったんです。ゴッホは、この作品のなかで「おだやかな静けさ」を表現しようとしました。ゴーギャンとの共同創作を夢見て、彼が来ることを待ちわび、その幸せに満ちた時に描いた作品を再制作したものです。黄色を中心とした鮮やかな色彩と力強い筆致、平坦でシンプルな色面に、ゴッホが憧れた日本の浮世絵の影響を感じました。一方で、ゆがんだ遠近法のせいか、少々不安な気持ちにさせられる感もありそのアンバランスな感じが面白かったです。4.<芸術家の生活--アトリエ・モデル・友人>この時代には、画家達がお互いのアトリエを訪問しあったり、本人や家族、友人をモデルに絵を描き合ったりするという交流が盛んでした。今回の目玉作品(チケットに掲載の画)である、エドゥアール・マネ(Édouard Manet, 1832-1883)作のベルト・モリゾの肖像画;『すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ』(1872)が素敵だなぁと思いました。印象的な黒い帽子と衣装、そして香り高いスミレのブーケを身につけたベルト・モリゾ。ベルトはマネの弟子でした。(マネとの交際を断ち切って、マネの弟、ウジェーヌ・マネと結婚した説も・・。)“マネだけの黒”がほんとうによく効いていて、ベルトの強い意志を感じさせる視線が魅惑的!なお、この作品は本邦初公開です。実物はすごーく輝いていますよ!!5.<幻想の世界へ>都会の喧騒のなかにありながらも、アーティスト達は、‘不可思議’‘幻想’‘夜’‘死’など神秘的な世界に創作のテーマを求めていきます。今回初めて知った19世紀末「幻想建築家」フランソワ・ガラの『ベートーヴェンに捧げる思索のための神殿、神殿幻想、月光』(1901)はSF小説に登場するような未来都市のようで面白かったです。音楽のリズムを建築という形に置換して表現することを試みた方とのことですが、ネット検索であまり情報が出てきません。。。 ☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆印象派の作品はやはり、直にみると、色使いや筆のタッチがとても素敵だなぁと思います!次回は、現地へ行きたいなぁ。:+((*′艸`))+:。 ☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆★損保ジャパン東郷青児美術館にて「ベルト・モリゾ展」が開催されるという嬉しいお知らせ★2007年9月15日からです。http://www.sompo-japan.co.jp/museum/ランキング参加中です。みなさまご協力ありがとうございます↓↓↓↓