テーマ:DVD映画鑑賞(13600)
カテゴリ:スピルバーグ
2004年12月公開 監督:スティーヴン・スピルバーグ 制作費:6千万ドル スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演によるコメディタッチのヒューマンドラマ。 ヒロイン役には、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。 「ターミナル」とは、空港内にある、搭乗手続きなどを行う施設のこと。 [簡単なあらすじ] 長旅の末、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港に降り立った、クラコージア人ビクター・ナボルスキー。 ところが彼は、到着早々空港職員に呼び出され、数々の説明を受ける。 英語が話せないナボルスキーは、わけの分からないままだったが、ターミナル内に設置されたテレビモニターで、信じられない映像を見ることになる。 彼が飛行機に乗っているあいだに、母国クラコージアでは軍事クーデターが起こり、政権が崩壊。 彼は、祖国を失ったと同時に国籍も失い、アメリカの法律によって、空港外に出ることさえ禁じられてしまったのだ。 あまりのショックに激しく動揺するナボルスキー。 だが、彼はニューヨークへ行くという当初の目的を果たすため、事態が好転することを夢見て、空港内で生活を始めるのだった―― 架空の国、クラコージア出身の純朴な人間ナボルスキーを、トム・ハンクスが好演。 そこにいるのが、俳優トム・ハンクスではなく、本物のビクター・ナボルスキーだとしか思えないほどの見事な演技に、視聴者は開始わずか数分で、この物語に引き込まれてしまうことでしょう。 なにせ、劇中に出てくるクラコージア語はすべてトム・ハンクスのアドリブだというのだから、その多芸ぶりには畏れ入ります。 空港内の施設を住みやすいよう勝手に改造してしまったり、それに対してナボルスキーを快く思っていないはずの空港幹部職員が大きく見逃したりと、現実よりもややおとぎ話やファンタジーといった色が強い作品ではありますが、ここはあえて細かいことに突っ込まず、おおらかな気分で観ることにしましょう。 映画を観る時は、作品の内容によってこちらのスタンスを変えることも重要! はじめはまったく英語を話せなかったナボルスキーも、空港で生活を続けるうちに徐々に英語を覚えていきます。 また、数々の出来事を通じて次第に空港職員たちと打ち解けていく様子は、お約束の流れとはいえ観ていてとても心地よく、なにがどうとはっきり言うことはできないのだけど、じんわりと感動させてくれます。 この辺のユーモアをうまく交えた展開は、さすが巨匠スピルバーグ。 映画作りの肝を押さえていますなー。 また、いつまでも若々しいキャサリン・ゼタ=ジョーンズとのロマンスも、非常にナボルスキーらしさが出ていてよい感じ。 仲間たちの(若干差し出がましい)協力も楽しい。 とにかく全編に渡って流れているムードが、とてもいい映画です。 最後までナボルスキーの素性がよく分からないまま、というこの映画の尺の中では不必要な部分はあえて突き詰めない、短編小説のような描き方も本作の特徴。 絵本が、はじまりのページとおわりのページのあいだにすべてを含んでいるように、この「ターミナル」という映画も、すべてが空港の中ではじまり空港の中で終わるのです。 アメリア(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)との関係がああいう結末を告げるのも、そういう理由からなんでしょう。 ちょっと、寂しいですけどね……。 肝心のナボルスキーの渡米目的が、若干説明不足で分かりづらく、引っ張った割りには唐突だったかなという印象もありますが、全編通して優しい気持ちになれる、素晴らしいドラマ。 トム・ハンクスの卓抜した演技力で魅せてくれる逸品でした。 ********** グレイテストヒッツ::ターミナル DTSスペシャル・エディション この映画の詳細(Amazon)。 ⇒ターミナル DTSスペシャル・エディション (2枚組) [DVD] スピルバーグ監督作品の記事はコチラから ⇒スピルバーグ監督映画(リンクページ) トム・ハンクス出演作品の記事はコチラ ⇒「フォレスト・ガンプ」 ⇒「キャスト・アウェイ」 ⇒「グリーンマイル」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.10.22 19:31:20
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