ドイツケーキのかなめ生地 R?hrteig リュゥ(ル)タイク
混ぜ混ぜ生地 Deutscher wichtigester Kuchenteig
さて、はじめの生地は、R?hrteig.(Ruehrteig).リュゥ(ル)タイクです。
日本語に直すと、混ぜ混ぜ生地(笑)。
フランスのキャトルカール生地、イギリスのパウンド生地と、基本的に同じものです。
ドイツのお母さんが焼くケーキは、
趣味ではなくて家事の一部(!)だったりします。
最近はそうでもなくなってきましたが。
家事の一部ということは、片手間に出来る、簡単、早い、失敗しない、
バリエーションが効く!というのはとても大切な要素。
そして、このリュゥ(ル)タイクは、これらを全て兼ね備えた立派な生地!
というわけで、ドイツで最も頻繁に焼かれる生地がこれです。
だから、要の生地というわけ。
さて、ここから、ちょっと細かく専門的な生地の説明。
めんどくさいという人はとばして、この生地を使った沈みリンゴのドイツケーキのレシピやウマウマバナナケーキのレシピへどうぞ(^^)
R?hrteig リュゥー(ル)タイク(パウンド生地。キャトルカール生地)これは、ミュルベタイクと呼ばれるクッキー生地のバリエーションのひとつといわれます。
イーストなし、牛乳なし、そして、クリームチーズなしで作ることが出来る生地です。
材料は、油脂、砂糖、卵、小麦粉からなります。
厳密に言うと、ケーキ職人の世界ではこのリュゥ(ル)タイクにはふた通りあって、
ここで紹介しているのは「アルト・ドイチャーマッセ」、「伝統的なドイツの生地」とも呼ばれる、重い生地です。
軽い方の混ぜ生地は、バターの割合が卵の60%量に減ります。
あと、混ぜ方の違いなどもあるのですが、
家庭で作る場合には、そのあたりを細かく定義しなくても良いでしょう。
「伝統的なドイツ生地」の場合、それぞれの材料の重さは、入れる卵の重さで決まります。
全ての材料が、それぞれ、卵と同じ重さの分だけ、用いられるのです。
そう、つまりこれは、フランスのキャトルカール、イギリスのパウンドケーキと、基本的には同じ生地。
ドイツのパウンド(Pfund,プフントといいます。Pf.と略)は1Pf=500g。
卵8個がだいたい1pf.だといわれます。
これに対し、1プフント、つまり500gずつのほかの材料を混ぜる。
最近は、卵の大きさにも色々あるので、万全を期すには、卵を計った方がいいかもしれません。
市販されているレシピでは、これに牛乳を加えるものなどがありますが、
基本の材料はこれらのみです。
ただし、確実に膨らませるために、大抵ベーキングパウダーを入れます。
さて、リュゥー(ル)タイクで重要なのは、混ぜること(R?hren リュゥレン)。
これにより、ケーキは空気を含み、軽くなります。
その際に材料を混ぜていく順番も、重要な役割を果たします。
混ぜる順番には、3とおり(以上)あります。
1.ひとつは、最初にバターを白っぽく泡立て、そこに砂糖を数回に分けて加えて更に泡立て、そして卵黄を加えて更に泡立てる方法。
これだと、ケーキが特にふわふわになり、焼いているとき高く膨らみます。
2.もう一つは、最初に卵黄を泡立て、そこに砂糖を数回に分けて加え、更に泡立て、そして油脂をそこへ混ぜて泡立てていく方法。
これだと、できあがりの気目が細かく、舌触りの滑らかなケーキになります。
3.全ての材料をボウルに入れていっぺんに混ぜ合わせると、とてもジューシーな、重く、生地のしまったケーキが出来ます。
いずれの場合も、卵白を分けて、あとから泡立てて最後(小麦粉のあと)に生地に加える形だと、生地も焼き上がりのケーキも、ほろほろとした食感が良く出ます。
なお、どんな場合も、小麦粉を切るように数回に分けて入れたら、その後はかき混ぜません。これをすると、生地が粘ついてしまいます。
先ほども述べたように、小麦粉を入れるとき、生地が絶対膨らむように、茶さじ1のベーキングパウダーを入れることがあります。これを入れれば、焼き上がりの生地がべとべとになるということはありません。と、主張している人がいます。
リュゥー(ル)タイクは、とても手早く簡単にでき、早く焼き上がり、さらに、味のバリエーションがつけやすく、幅広いという特徴を持っています。
次は、何の生地にしましょうか。
ミュルベタイク(クッキー生地)かな。
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