ドイツケーキ(トルテ・クーヘン)は甘いか

 
問い・ドイツケーキは甘いのか。

こたえはふたとおり。二とおりあるのには、わけがあります。
というわけで、以下のレポート。



コメントをいただいて、気がついた。
そうか。ドイツのケーキ、味もいわなきゃ伝わらないところもあるんだ・・・。

というわけで、味についてのレポートです。

ドイツケーキについては、二つの見方がある。

1.大アマ
2.さほど甘くなく作ってある。

甘さについては、感じ方が各人各様なため、なかなかこうですとは一概に言いづらい。
しかし、誰でもうなずくのが、

3.ドイツのケーキはでかい。
これは、誰でもが思うこと。

ああ、いやしかし、味の話でした。
大きさの話は明日の日記に譲ります。

80-90年代まで、ドイツのケーキ、特に「トルテ」と呼ばれるクリームでデコレしたケーキは、
誰が食べても恐らく、

「重いぃぃぃ」
「アマいぃぃい」
というケーキでした。

砂糖の消費量が、19世紀後半からそのときまで、一度もへこむことなく、上昇し続けたドイツです。
甘いものはどこまでも甘く。
更に、
バタークリームのケーキ。
バターをホイップして、卵黄などを加えて作るわけですが、
70年代まで、トルテといえばこれ!というクリームが、
バタークリームでした。

しかし、いくら時代の波に乗りにくいドイツ人でも、
80年代後半からのダイエットブームはじわじわと浸透し、
今では、バタークリームは、
「食べたくないクリーム!」といわれることが多いものとなりました。

甘さも、やはりダイエットブームに乗っ取り、
更に、素材のおいしさを楽しむというブームも地に足をつけ、

砂糖の量は、今ではかなり減らされています。

というわけで、
「ドイツのケーキって、あまり甘くないですよ」

という感想が生まれます。

もちろん、素材の使い方によっては、砂糖の甘さを感じないこともあります。
ドイツのケーキによく使われるスパイスの各種は、砂糖の甘さを目立たせないこともあります。
また、果物など、例えば蕗の仲間のルバーブやベリー類、特に、北で取れるベリー類、スグリの各種、クランベリーに似たプライゼルベア等は酸味が強く、これには砂糖の甘みが必要になります。
このようなケーキは、甘みで酸味を抑えるより、甘みを使って酸味をほどよいものにするという程度の量の砂糖が使われています。
その量の砂糖だけをいただいたら、甘みはずっと強く感じられます。

さて、カフェのケーキ、クーヘンとトルテ3種でしたが、

最初のリンゴケーキ(アプフェルクーヘンApfelkuchen)、これはちょっと甘めです。
リンゴに酸味がある場合は、すっきりとするのですが、このリンゴは甘め。
生地はミュルベタイクで、クッキーを作る生地と似ています。
さくさくタイプ。
中のリンゴは、シロップで煮てありました。
この日の私の気分からすると、ベリータルトにして正解という感想。

リンゴは、ケーキにするときは酸味のあるものがよいといわれます。
ドイツでは、長らくボスコップ、エルスターといった種類が市場を占めていましたが、
最近は、チリからきたフジ等、輸入物が安く出回っていて、
ご当地リンゴも甘いリンゴが増えてきました。個人的には残念です。

次に、シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ(Schwalzwaelder Kirschtorte)黒い森のサクランボケーキ)
こちらは、ココアのスポンジ生地3層の合間に生クリームを挟み、
更にさくらんぼのコンポートが挟んであり、
周りを生クリームでデコレーションし、
最後に箔チョコをふりかけ、周りに型どりした箔チョコを貼り付け、サクランボを飾るという形でした。
見栄えは、ちょっと一昔前風で、

あ、甘そう・・・今日はダメだ。

と私は思ったのですが、
ココアスポンジとクリームをちょっといただき、
あっ!

ここのシュヴァルツヴェルダーキルシュトルテは、
キルシュヴァッサーと呼ばれるサクランボのお酒(アルコール度40-55%)が効いている。
お酒がしっかり染みこませてあって、ほんの一口いただいただけなのに、
香りがふんわり広がって、味もしっかりココアの生地にお酒。
これが、重たい生地とクリームを不思議にすっきりとさわやかにして、
いけます。
分量も、私にだったら多分ちょうどよかった。
友達には、少々物足りなかったようです。
確かに、ほかのお店と比べて、ちょっと薄めに切ってあるかなぁ。

そして最後に私のヴァルトベリートルテ。森のベリー類のタルト。
これは、ビスケットのようなミュルベタイクを最初にから焼き、
そこに生のベリー類をこんもりと盛り、粉砂糖をふるか、ゆるいゼリーを刷毛で塗ったものです。
生地はさくさくと、少々甘め、そして粉砂糖は、見た目は多く見えますが、
実際になめてみるとそれほど甘くなく、どちらかというと、飾り的な要素が強いです。
たっぷりかけて、漸く感じる甘みかな。
酸っぱいベリー類とちょうどよい組み合わせで、
その前にパスタを食べてあまりおなかの空いていなかった私には、
デザート的にいただけて、正解の選択肢でした。

ごちそうさま。



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