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カテゴリ:社員旅行
真庭バイオマスツアーのレポートが続いておりますが、本日は真庭市を代表する木材加工メーカー「銘建工業」の見学に絡めて書いてみたいと思います。 まず、最初の写真は、この工場から出てくる木材の「鋸屑」を集める集塵機。 この巨大な集塵機が3日ほどで一杯になるとのことなので驚きです。 この会社は国内最大手の構造用集成材のメーカーです。 集成材というのは、ラミナと呼ばれる板状の木を貼り合わせてできる、幅広の材料のことですが、テーブルなどに利用される「造作用集成材」と、建築物の柱、梁桁などに利用される「構造用集成材」とがあります。 この工場では、後者の「構造用」を生産しています。 この写真は、銘建工業の倉庫の写真ですが、太い構造用集成材が使われています。 大型の木造建築物に使われる集成材を「大断面集成材」といい、最近では、学校などでも積極的に使われ始めました。 今回の見学は、集成材を作る過程で出てくる「鋸屑」を利用した「ペレット」の生産でした。 ペレットというのは、鋸屑に熱と圧力をかけて、錠剤サイズに固めたもので、主としてストーブの燃料として使用されます。 ストーブといえば、「薪ストーブ」というものありますね。 どちらも「バイオマス」を燃料にしたストーブですが、ペレットストーブの特徴は、燃料の投入を自動化できる点です。 薪ストーブの場合は、人がタイミングを見計らって投入しなければならないので、手間もかかります。 さて、薪の話がでたところで、森林資源のお話。 森林破壊の原因にもいろいろありますが、電気の供給が行き届かない地域では「燃料」の用途で使われるケースが圧倒的に多いとのこと。 地域の人口が増えれば、それに比例して「燃料」の消費量も増えます。 それまでは周辺の木材の成長率と消費量がバランスしていたようですが、途上国の人口爆発がそのバランスを崩し、「根こそぎ」伐採にして燃料に変えざるを得なくなる。 周辺に木がなくなれば、大地は乾燥し、砂漠化し始める・・・・・。 黄河文明 インダス文明 メソポタミア文明などの古代文明が、あんなに乾燥した砂漠の中にあるのは、文明の結果としてそうなっただけで、実は、最初からそうではなかったようです。文明はエネルギーを消費します。結果として、周囲を禿山し、砂漠化を招きます。 文明を育みつつ、森も守ってきたのは唯一日本だけ。 と富山和子さんも書いています。 木を切った分だけは、ちゃんと木を植えて守っていく、ということは日本人にとってはごくごく当たり前のことでした。 里山とは、歴史にも残らないくらいの昔から、日本人がそうやって守ってきた暮らしの象徴ですね。 水の豊かな日本の国土というのは、そうやって昔から守られてきたもの。 天然資源の少ない日本の中で、先祖から贈られた最大の資源だということを知らないといけないですね。 同じ薪を使っていても、今に残っている姿はぜんぜん違うのです。 数年前に問題になった日本人の割り箸問題。 この割り箸こそは、端材までしっかりと利用するための日本人の知恵の産物でした。 それが単純に「機能」だけを重視して、安い中国産を使い始めたから問題だったのです。 決して「割り箸」が悪いのではない。 大事なのは、使う人の「意識」の方でしょう。 今でも、吉野地方では、杉の端材や間伐材を利用して割り箸を作っています。 これは、木材のハイレベルの利用方法であり、林業を営む方々の生活の糧でもあります。 短絡的な「割り箸=環境破壊」論が間違いであることは明らかですね。 日本人のDNAの中にある「もったいない」精神とか、自然を畏敬し、後世に残していくことを美徳とする気持ちが環境問題の最終的な答えのような気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/12/24 06:35:21 PM
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