カテゴリ:ひとり言
昨日は今嵌まっている歴史小説作家上田秀人の「勘定吟味役異聞」シリーズを話題にしました。この小説の時代背景は、6代将軍家宣、7代家継のころ、家宣に重用された新井白石が重要な登場人物として出てまいります。 毎日の日経の楽しみの一つは、最終面の連載小説。辻原登の歴史小説「韃靼(だったん)の馬」が連載されています。江戸時代の朝鮮通信使から題材をとって、当時朝鮮外交の窓口となった対馬藩の現代流に言えば外交官阿比留克人(あびるかつんど)が主人公の話。この時代背景が、まさしく6代家宣のころに設定されています。そしてここでもやはり時の幕閣新井白石が出てまいります。通信使の「国書の宛名を大君から国王にせよ」という無理難題を対馬藩に命じたのが白石というわけ。 朝鮮通信使といえば、江戸時代徳川幕府と李朝朝鮮の間で取り交わされた国書を対馬藩が止むに止まれず改竄(かいざん)したことに端を発する後々のさまざまな事件を取り扱ったものが多くありますが、篠田達明の「馬上才(ばじょうさい)異聞」は、3代家光の時代の通信使を題材にしたものでしたね。 太閤秀吉による朝鮮出兵のあと冷え切った朝鮮と日本。幕府から交易再開の外交を命じられた対馬藩が取った止むに止まれぬ行動。それは朝鮮に対してひざまづき交易の再開を願う朝貢外交で、幕府には朝鮮が願い出て日本との交易再開を求めている態を繕うという驚きの内容。スタートを嘘で塗り固めたのだから、通信使がやって来るたびにその嘘がばれないように上塗りをしていかなければならないことになった。 しかしながら、対馬藩の英知のおかげで両国は交易により潤ったわけだから、これは嘘で塗り固められようとも、その嘘が綻びようとも後々まで両国とも名を捨て実を取ったことになりますね。結果良しというわけです。 こちらの方は、ずいぶん綻びてきたようですが、結果良しとなるのでしょうか? <陸山会土地購入>虚偽記載疑惑 小沢幹事長にお聞きしたいと思うのですが、幹事長は日経を購読しておられないのでしょうか?政治・経済面には目を通すが、最終面の連載など読んでいる暇はないとおっしゃるのでしょうか? ぜひ「韃靼の馬」を読んでいただきたいものだと思うのです。 「やましい事は一切ない」と言っておられるようですが、最初についた嘘のつじつまを合わせるのって、朝鮮通信使の例を見るまでもなく、ほとほと難しいと実感なさっておられるのではないかと推察しております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年01月18日 16時25分46秒
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