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今読んでいる本 「偉人たちのカルテ」(篠田 達明著 朝日文庫)
現役の整形外科医でもある著者が、現代医学の視点から歴史上の偉人の最後について考察した「偉人たちのカルテ」。まずブックカバーに描かれたイラストがとてもユニーク。 篠田先生とおぼしき医者が、甲冑姿のまま下着を大きくまくった武田信玄とおぼしき戦国武将の腹に聴診器を当てている。 はたして診たてはいかがであったのだろうか? 黒澤映画の名作「影武者」では、武田信玄が野田城を力攻めしたとき、城内から聞こえる笛の音を聞こうと城壁に近づいたところを狙いすまして発射された鉄砲玉により落命したように描かれていました。 しかし、名医篠田先生の診たてによれは、食道がんか胃の噴門部にできたがんの公算が大であるということです。また、当時がんが原因で死亡する人が少なかったのは、いわゆるがん年齢と言われる40代後半から50代まで生きれた人がまれであるからとも書かれてるのは、なるほどと納得できますね。 何しろ人間50年の時代ですからね、ましてや戦国武将は、病より戦場で死ぬことを第一に考えていたはずですから、自分の体の健康管理には無頓着であったのかもしれません。 信玄にしてもしかり。もしもう少し健康管理に気をくばっていたら、がんの発症は免れなかったとしてもあと2年、3年は長く生存できたかもしれない。そうすれば3年喪を隠すというような遺言も残さずに済んだであろうし、徳川、織田を蹴散らして京に軍勢を進めることが 出来たかもしれない。 病気が変えた日本の歴史という観点で書かれたこの本、家康の臨終はどうであったか、謙信は、秀吉は・・・、興味がつきません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年03月05日 14時33分33秒
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