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来年4月に消費税が現行の5%から8%に上がるのに合わせて、政府は消費税がすみやかに商品価格に転嫁されるよう小売り現場でのいわゆる「消費税還元セール」を禁止する特別措置法案を国会に提出していましたが、このほど成立する見込みとなったということです。 ウエブニュースより 消費税転嫁法って何?――「消費税還元セール」を禁止 この法律は「消費税還元セール禁止」の文言のみが先行し注目されたことから、小売店の自由な価格決定を縛るかのような印象を与えました。実際に大手小売り店側からは、小売の自由で公正な競争を妨害するものだと法案に強い反対意見が表明されています。 しかしこの法案の本質は、商取引上で優越的な地位にある小売り店側が、商品調達に際して弱い立場にある納入業者から買い叩くことで消費税増税分を浮かせ、これを原資として「消費税還元セール」を打つことをを禁じていることにあります。これは独占禁止法上の優越的地位濫用規制の一種ともいえ、逆に自由競争の基盤を確保しているとも言えます。 おりしも納入業者に従業員の無償派遣を強要したり、新規店舗の開店時に協賛金を支払わせたりしていた北海道の大手スーパーが、公正取引委員会の立ち入り調査を受け、12億数千万円の課徴金納付命令を受ける見込みだというニュースが報じられています。 小売店が利益を出しているいないにかかわらず、罰則として課せられる12億もの課徴金は、小売店の存続を左右するとも言える金額です。対象となったこのスーパーは、北海道・東北でスーパー・量販店を展開する売上4339億円、経常利益145億円にも昇る大きな小売店グループの子会社だということですから存続は可能かもしれませんが、それでもグループ全体の純利益82億円から、12億円もの課徴金を支払うというのは、大きな痛手に違いありません。 信賞必罰、長い間このスーパーに苦しみながら取り引きを続けてきた納入業者は、心の中だけの密かな喝采をあげていることでしょう。 しかし、よく考えてみてください。12億円の課徴金はすべて国庫に入り、納入業者が爪に火を灯すような思いをしながら支払ってきた協賛金や、派遣人員の人件費が納入業者に戻るわけではないのです。 もしこのスーパーが課徴金に耐えられる大手グループに属しておらず、売上高数百億規模のスーパーだったとしたらどうでしょうか?納入業者は、協賛金が戻らぬどころか、明日からの売上がゼロになること間違いありません。 大手スーパー・量販店の横暴な振る舞い許すまじ。公正取引委員会の活躍には拍手喝采を惜しみませんが、高額な課徴金は如何なものかと愚考します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年06月12日 10時33分52秒
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