カテゴリ:詩、俳句、短歌、川柳、都都逸等
日が暮れて一人疲れた体を薄い布団に横たえるわびしさは格別なものがありますが、夕方一人さびしく食卓を囲むのも独り寝以上にわびしいものがありますね。その辛さから逃れるために傷心者はしばしば酒の力を借りることになるのですが、そうすればまあどうにか腹も満たし脳を麻痺させて眠りにつくことも出来るようではあります。 しかし、そんなことをせずとも鏡が1枚あればいいって、ご存知でしたか? ウエブトピックスより 鏡見ながら食べると美味 名大研究、疑似的「共食」で 大学生と高齢者16人ずつを対象にポップコーンを食べさせて、鏡ありと鏡なしで実験をしたそうです。その結果は、「おいしい」「また食べたい」の評価が「鏡あり」の場合で明らかに高く、食べた量も多かった。しかも、大学生でも高齢者でも同じ傾向が確認されたということです。 研究者はこの結果を「他者と食べる『共食』環境を疑似的につくりだし、おいしさの感覚が刺激されているのではないか」と考えているとか。 ・・・う~む、果たしてそうかな? 貴方はポップコーンを食べている自分の姿をまじまじと見たいですか?私ならポップコーンが酒であってもお断り願いたいですな。 美空ひばりは、酒を飲んでさえ断ち切れぬ未練を「飲んで棄てたい面影が♪ 飲めばグラスにまた浮かぶ♪」と歌い、この国の民を涙させましたが、鏡に映った醜い己の姿を見れば、酒を飲む気さえ失せてしまいそうです。ましてや、ポップコーンをや。 そもそもポップコーンなどというものは、鏡を見ながら一人ではなく、映画館でスクリーンを見ながら、隣の席のカップルに遠慮しつつ食べるものだろう。 「酒飲めば涙ながるるならはしの それも獨りの時にかぎれり」 かの若山牧水の歌を"疑似的「共食」"の研究者におくりたいものです。 さて、今宵も一人酒を飲みながら、鏡などではなく、内なる己を見つめ涙を流すとしましょうか。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年12月12日 10時42分20秒
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