「破格のピアニズム」
1834年24歳のシューマンは常識を破る曲作りに挑みます。
ベートーヴェンを「深さと高さを兼ね備えた芸術家」と称え
大胆で深みのある曲想、様々な技法を際立たせていく変奏曲形式・・
ベートーヴェンを心に置きながらピアノの新世界を切り開いていきます。
ベートーヴェンの壮大な交響曲に憧れていたシューマンは
いつかは自らも交響曲を書き上げたいと思っていました。
ベートーヴェンの影響を強く受け、この7年後に、交響曲第1番を完成させました。
今日の曲は
「交響的練習曲」
終曲
1834-35年に作曲。
主題と12の練習曲から出来ていて、9曲が変奏曲形式で書かれています。
木管楽器の柔らかい音色に、弦楽器の豊かな響きが加わり
大合奏とともに打楽器が鳴り響くような壮大な展開を見せ
ピアノ1台でオーケストラを表現した曲。
ピアノ曲でベートーヴェンの偉大さに挑んだシューマン。
交響曲のような響きを追い求め、独特の豊かな詩情が溶け込んでいる。
スケールの大きさと優美な旋律、そして変奏の巧みさ
ピアノ曲指示用屈指の名曲を書き上げました。
終曲 フィナーレは
オーケストラのような響きと壮大さを見事に織り込んでいます。
この日のピアニスト ウラディミール・トロップさんは
「この曲のテーマは、情熱・喜び・悲しみ・・そうした人生の全てです。
まるで人生が目の前を通り過ぎていくような音楽です。
最後には人間賛歌のような感銘を受けるでしょう。」と語っていました。
この曲はどこで聴いたのか・・・
聴いたことがある曲でした。
シンフォニックな練習曲にはとっても興味を持ったのですが、楽譜を直視するのは・・・
指揮者の方に指導してもらうと勉強になりそうですね。