「詩情をきわめて」
1840年ライン川沿いのデュッセルドルフに移り住むシューマン。
ドイツ西部最大の音楽監督として招かれたのです。
その喜びを表すかのようにすぐに交響曲を書き上げます。
“ライン”と言う名で親しまれている「交響曲 第三番」
かつての文学青年は40歳を迎え、ついにドイツを代表する作曲家になりました。
デュッセルドルフの音楽監督として更なる飛躍を目指したシューマン。
しかし複雑な人間関係に次第に追い詰められて行きます。
眠れない日が続き、聴覚異常や強いめまいを起こすようになります。
1854年2月シューマンは発作的に冬のライン川に身を投げてしまいます。
一命は取り留めますが、心の病のため入院します。
クララが最後にシューマンに会ったのは、1856年7月でした。
「彼は不自由な体で私を抱きしめた。その抱擁をいつまでも忘れない。」
2日後シューマンは46歳でこの世を去りました。
クララは残りの40年の人生を、夫の作品の普及に捧げ
シューマンとクララは同じ場所で永遠の眠りについています。
今日の曲は
「森の情景」
第1曲「森の入り口」、第7曲「予言の鳥」
森の情景
9曲からなる曲集。
奥深い森に入り立ち去るまでを表現しています。
幻想的な「森」というモチーフはロマン派の作曲家が好んで用いていました。
詩情溢れる音楽を、終生追い求めたシューマン。
森の情景はその集大成。
楽譜には曲に合わせて詩が書き添えられています。
第1曲「森の入り口」には
「いっしょに来なさい 町の喧騒をあとにして 私といっしょに来なさい 緑の森へ」
第7曲「予言の鳥」
繰り返される主旋律が鳥の鳴き声を思わせる曲。
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